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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 蜘蛛ノ絲ニ絡ム蝶(狂愛、犯罪アリ!← ( No.8 )
- 日時: 2011/01/24 17:36
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
簡単に言えば、俺は真理亜が好きだ。ずっと昔から。
パーティーで華やかに着飾ったドレス姿。幼い頃に見たそれに、俺は心惹かれた。
まだあいつも幼かったが、美しくなる香りを漂わせ、無垢な笑顔を振りまいていた。
俺はずっと真理亜を見ていた。仕草で感情が解る。
嘘を吐く時に首を左に傾げる仕草、困った時に髪をかき上げる仕草、嬉しい事があれば胸に両手をあてる。
そして、目を見ても感情が解るようになった。
立派なストーカーの気分だが、真理亜の事を誰よりも知っていると思えば悪い気はしない。
誰も気づかない小さな仕草、小さな違い。俺は全て解る。狂おしいほどに愛している。
「せんぱーいっ」
最近では真理亜もすっかり俺に懐いてくれた。来栖は俺を嫌っているようだが、そんなもの関係ない。
俺が欲しいのは真理亜。断じて来栖ではない。
「来週の日曜、うちでパーティーがあるんです。お暇でしたら是非……」
不安げな上目遣いが俺を煽る。俺だけでなく、他の男だってそうだろう。
真理亜は学園一と言っていいほどの顔だ。自覚はないらしい、愛想を振りまきすぎだ。
いつ何処でどんな風に雄の獣が狙っているとも知らずに。
「良かったな、その日は生憎暇だ。行ってやる」
そう答えれば嬉しそうに瞳を輝かせ、胸に両手をあてている。そう、真理亜の嬉しい時の癖。
「では、来週の日曜、お待ちしてます!」
と言って去ってしまった。
今すぐにでもその細い腕を掴んで、一生抜け出せない牢へ繋いでやりたい。
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