ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 蜘蛛ノ絲ニ絡ム蝶(狂愛、犯罪アリ!← ( No.14 )
日時: 2011/01/26 19:04
名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)


「先輩っ。来て下さったんですね」

安堵の表情を浮かべながら胸に手を当てる。今日の真理亜は真紅のドレスで、大胆にも露出が多い。


「ああ」

お世辞にも大きいと言えない胸、健康的な太股。あどけなさが残る顔に施される大人の化粧。

そのアンバランスさが危険な色気を醸し出し、年頃の女特有の男を惑わす魅力を発していた。


「あの、似合いませんか?」

不安げに視線を下に落とす。格好と仕草のギャップも、言葉では言い表せない危険な色気に満ちている。

「似合ってるんじゃねえの」


こうやって曖昧な答えを出すと、ほら、泣きそうな顔で

「……その答えが一番不安です」

だとよ。これだけで潤んでいる大きな瞳の上目遣い。やはり、大人の色気があるとは言えない。

ただ、どうしても俺の……。男の加虐心と本能を駆り立てる、計算されつくした大人の女の行動。


だが、真理亜はそれを無意識のうちにこなしている。否、もしかしたら心中で全て計算しているのかもしれない。




              魔性の女




真理亜にはこんな言葉は似合わない。だが、その女になる可能性を十分に秘めている。


魔性の女になる前に、俺に飼い慣らされて、俺に尻尾を振る犬になるかな。