ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 蜘蛛ノ絲ニ絡ム蝶(狂愛、犯罪アリ!← ( No.15 )
日時: 2011/01/29 09:54
名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
参照: 久々(?)の更新。放置気味で超ゆっくり更新しそうです←

来栖ルート-弐- 「如夜叉抱きませ」


人の渦の中で、無邪気で愛くるしい笑顔を振りまいている真理亜。
パーティーだからいい顔してなきゃいけないのは解るけど、あんな笑顔を僕以外に見せるなんて……。


「勇太くーん」

遠くから真理亜が呼んでいる。人の渦に隠れて、白い腕が僕を招くように揺れている。

「はいはい?」

何の用があるんだろう。人ごみは好きじゃないし、(自分もだけど)金持ちは嫌いだ。


「あのね、こちらの方々が勇太君にお会いしたいって」


似合いもしない大人っぽい真紅のドレス。小さな胸も露出して……。その辺の変態親父の視線に気づいてる?


「君が来栖財閥のご子息か……。随分大人っぽくなったものだ」

最近はパーティーに出席してない。だって、嫌いだもん。でも、真理亜が行くならね……。変な虫が付かないようにしなきゃ。


「お久しぶりです」

このじじい、誰だよ? 覚えてるわけない。まぁ、適当に愛想笑いしとけばいっか。


じじい等が大きくなったとか、男前になったとか、そんな話耳に入らない。


ただ、僕が見てるのは真理亜……の先の藤間。すごい剣幕でこっちを睨んでる。


夜叉か般若の如き形相で、何をそんなに睨んでるんだろう。笑顔を振りまく真理亜?



   僕はじじいの群れから逃げ出して、藤間がいる方に足を進める。