ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 黄泉の夜空 ( No.18 )
日時: 2011/01/29 12:43
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

第七話 〜大室 和正編〜

最近、病院には患者だらけ。
どの病院にも患者はたくさんで、たらい回し。
でも、僕はそんなかわいそうなことはしない。というより、したくない。
僕の病院は大型病院とは違って、小さな病院。医院である。
病室もあまりないけど、事務室を使ってまで僕は患者さんたちを看病している。でも、何故患者がたくさんかって?

それは僕にもわからないんだ------------

普通では考えられないような病。
その謎の病は、僕の診察室を見に来てくれたら分かると思うよ。

「大室先生!ウチの息子は・・・!」

「落ち着いてください、お母さん。なんとか・・・しますから。」

診察室のベットにはもがき苦しむ幼児。
心臓の音や、脈をはかる。
どちらも働きが浅く、動きが遅い。
体の機能が低下している・・・。

「お母さん、そこでお待ち下さい。」

患者さんのお母さんは、診察室の前のソファーに座った。
その顔は心配というところではない。真っ青で、死ぬ間際の人のようだった。相当心配なのだろう。

僕は、「なんとかする。」と言ったけれど・・・本当は、何も出来ない。この原因不明の病は、菌なども見つからないため薬が作れない。
ただ、初期症状は頭痛と軽い過呼吸。それだけしか分からない。

「大室先生!!危篤状態の患者が!」

「何?!・・・赤瀬先生に行ってもらってくれないか?僕は、この子を・・・。」

「は、はい!」

また、危篤状態の患者・・・。
ついさっき、同じように10人は亡くなった。
皆同じような症状を持ち、同じように亡くなった。
もう、ここまで続くと・・・危篤状態になった患者さんは・・・

そして今までの患者さんは、今から4日前に搬送されてきている。
そして、今日亡くなった・・・ということは・・・。

「精々、3〜4日の命・・・。」

僕はベットに苦しがっている男の子を少し見つめた後、お母さんを見つめた。どうしても言えない。助からないかもしれないって・・・。
それは医師にとっての最大の辛さ。大切に思っている人がもうすぐ死んでしまうかもしれないって言うのは・・・

(とにかく・・・この子を助けてあげないと-----------!!)

僕はとにかく、この症状にあった薬を虱潰しに探した。
程々にしないと、別の意味でもこの子が危険になる・・・。
どう注射しようか、そこも問題だった。

「まず・・・。」






くそっ・・・その薬を注射しても症状は変わらない!
じゃあ、ここにある薬じゃ役に立たないのか・・・。
諦めて溜まるか・・・。病魔は刻一刻とこの子に!!