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Re: 黄泉の夜空 ( No.26 )
日時: 2011/02/04 17:57
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

第十話 〜相川 宗哉編〜

和正もなかなかやってるみたいだな。よかったぜ。
さて、こっちはこっちでなんとかしとかなくちゃな。
今まで死んじまった患者は、今日で50人は超える。
いや、もう50人じゃ済まないかもしれない。これからずっと、死ぬやつはもっと出るかもしれない。

-----------んなことさせてたまるか!!

「失礼する・・・。」

「おっ、浅岡!」

外科の浅岡 龍雄は紙を2枚持ってきた。
なんとかく嫌な予感がした・・・。
浅岡はその紙を黙って渡した。

「・・・死亡カルテか。」

「あぁ、手術する前に・・・亡くなった。これから、解剖する予定だ。」

その2人の患者は黙って、苦しむことも無く死んだらしい。
まあ、もう今日亡くなるだろうと予想はしてたが・・・
これで泣いた人間を何人見ただろうか。いい加減、こっちも泣きたくなる。

「その内の1人は、精神異常だった。が、もう1人はボーッとしてたらしいな。」

「ボーッとか・・・?」

浅岡はコクリと頷いた。
ボーッと・・・。
そういや、野田(医院)でもボーッとしてたオッサンいたよな?
その他は皆精神異常で壊れてたが・・・。

「ありがと・・・。参考にさせてもらう。」

浅岡は手術室へと急いだ。
さて、診察室の前の受付にゃ患者さんがたっくさんいるな。
俺もじっくりとカルテは見てられないな。

そう思ってたら、1人の患者が入ってきた。
まだ症状一日目みたいだな、頭痛がするらしい。

「じゃあ、体温計で測ってくれ。」

しばらくし、音が鳴る。
だが、熱は無い。・・・確定した。不治の病か。
熱があったらそれは普通の風邪、熱がなけりゃ・・・あれだ。

「・・・う、うん。どうやら、患者さん・・・あれだぜ。」

その患者さんは、一瞬悲しい顔をしたがその後クスリと笑った。

「そうだと思ったんです・・・。親父も、なりましたしね。・・・ついには、息子と妻にまで・・・。いつかはなるって思ってたんす。」

「・・・何?あんた、名前は?」

「えっ・・・あぁ、佐藤といいます。」

「佐藤・・・。」

俺は、パソコンに佐藤さんの情報を記入し、入院するようにと言った。
佐藤さんはトボトボ歩き、入院室へと歩いていった。
俺は最近亡くなった佐藤さんを探した。

「・・・これか。」

3日前に、親父さん。その1日後に奥さんと息子さんがこの病院で亡くなっていた。カルテには3人とも深い傷を負っていたらしい。
そして、今回入院する佐藤さんも・・・。

血筋ってこともありえるな。
こいつぁ、和正に連絡しないとな。












翌日、俺は和正に連絡をした。

「宗哉か。どうしたんだい?」

「いい情報、またもらったぜ。」

俺は昨日会ったことを和正に教えた。
すると和正は、







「ありがとう。こっちもいい情報をもらった。」








第壱章-----------------終