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Re: 黄泉の夜空 ( No.30 )
日時: 2011/02/04 21:26
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

第十三話

「どうした、洸河。」

応答が無い。じっとそのぶつかったひとを見つめる。
そして相川先生もじっと見つめている。
俺には、普通に見えるが・・・何か居るのか?
すると、洸河ははっと我に返り苦笑いした。

「いあいあ、すまん!あのオッサン、ハゲだなぁと思って。」

「え、あぁ・・・ハゲか・・・ハゲだな。」

何故か俺まで、同感してしまった。
まあ、本当はそんなこと思ってないってこと俺には分かってるんだが。
あんな恐怖した洸河の顔を見たことが無かった・・・から、あえて言わなかった。

その後、オッサンは相川先生の前を通り過ぎ、暗い道へと消えていった。

「相川先生・・・。」

俺は相川先生に話しかけた。
すると先生は俺に顔を向け、「よっ」と挨拶してくれた。
だが、首元には汗。俺は、聞いてみた。

「さっきの・・・人・・・。」

先生は眉毛をピクリと動かし、下を俯いた。

「・・・す、すいません・・・。変なこと聞いちゃって・・・。じゃ、じゃあ、さよなら。」

どうしたんだ・・・二人とも・・・。
あのオッサンを見て・・・やっぱり聞いてみようか・・・。

「なぁ、洸河。さっきの・・・。」

「何者だって・・・聞きたいんだろ?」

俺は頷き、立ち止まった。
洸河は重い瞼を、閉めさせまいと頑張って目を大きく開いている。
洸河は口を開こうとしたが、目玉を後に向け、俺の手を引っ張った。

手汗がもの凄い・・・。
それに、手がガタガタ振るえている・・・。

俺には・・・何も・・・









しばらく走り、俺の家へと入った。
洸河は安心したように、がたりと崩れ落ちた。

「だ、大丈夫か・・・?こっちこい・・・!」

洸河を2階へと運び、布団を敷いた。
洸河は薄く目を開き、俺に語った。

「さっきのオッサンの・・・土葬見なかったか・・・?」

「土葬・・・?」

「あぁ・・・。今日・・・やってた・・・。今日、死んだらしくてな・・・土葬してた・・・。」

ってことは・・・死んだはずの・・・人が?
まさかな・・・考えすぎだよな。










気のせいであってほしい。







あれもこれも。






漣は・・・今夜も洸河を見ていた。

うまそうに・・・。