ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黄泉の夜空 ( No.4 )
- 日時: 2011/01/28 23:23
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第壱章 第一話〜浅岡 涼編〜
・・・朝は必ず来る。
夜は眠り、朝は明るい光りをこの世にばら撒く。
出来れば、ずっと夜がいい。
「涼ー!おきなさい、朝よ!」
「・・・あぁ。」
俺は伸びをし、カーテンを開ける。
長い間暗いところにいたためもの凄く眩しい。
階段を降り、椅子に座る。
机には、白ご飯とみそ汁、キャベツと玉子焼き。
漫画とかでよく見る、マイナーな朝ごはんだ。
階段からのっしのっしと出てくる、兄貴。
頭が所々、ピンピン跳ねている。
シラーとした目で、見つめてやった。
「んぁ、何見てんだ・・・!ホ、ホラ・・・!!飯食え、飯!!」
俺は黙々とご飯を食べる。
俺の兄貴、浅岡 辰騎は大学生である。
つくづく思う、よく大学なんざ行ってるなと。
俺はあまり噛まず、さっさと食べ終わり、高校の制服を着た。
かばんを持ち、急いで玄関へ走った。
母さんが、キッチンから「気をつけていくのよー。」と言っている。
「あぁ・・・。」
家の扉を開け、学校へと走った。
ちょっと寝坊したか・・・。高校の人たちが結構歩いている。
俺がいつも行ってる時間は、そんなに居ない。
行く時間が違うと、こんなに違うのか。
何も思わず、のそのそと歩いていると後から凄い速さで走ってくる足音が聞こえた。後ろを振り向くも間もなく・・・突進された。
「よーーーーっ、グットモーニングゥゥゥゥ!!!」
「いっつっつ・・・!来るなら来ると言ってくれ・・・。」
オレンジ混じりの金髪のポニーテールは顔を輝かせ俺の肩に手を乗せる。コイツはいつもそうである。クラスに入るだけで、もの凄く騒がしくなる。が、欠席の日は極端に静かになる。
「ほらほら、何のっそのっそ歩いてんだ!?早く行こうぜ!!」
俺の手を引っ張り、高校への道を駆ける。
「おいっ!!」と言っても、聞こえてない。と、いうより聞いててないフリ。手が千切れそうに引っ張る。痛いな、正直。
あっという間に高校に着き、気づけば下駄箱だ。
手を大きく振り、痛そうに顔をしかめてやった。
反省するかと思えば、普通に靴を履き替えている。
反省させようとした俺が馬鹿だったよ・・・。
俺たち、高2は2階に教室がある。
高1の時は楽だったのだが、いちいち登るのは非常に面倒くさい。
コツコツと上っていき、教室をガラリと開けた。
「よーーーー!!皆、オッハーッ!!」
「おぉ、よう!」
「おっはよー。」
皆が口々にコイツに挨拶を交わす。
俺は何も言わず、扉を閉め、自分の席に着いた。
「おはよー、涼。」
上を見上げると、赤茶色の天然パーマが来る。
いつも眠そうでいる、この友人。
「なんだよー、元気ないな。朝ぐらいきばって行こうぜ。」
「俺はいつもこんなんだ。」
「ハイハイ、席に着けー!」
担任の先生が入ってきた。