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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ピリオドをください。 ( No.10 )
- 日時: 2011/01/29 15:56
- 名前: AW工作員 (ID: 3JtB6P.q)
そいつは斜め前の空いている机ー彼女の机に目配せした。
「今日はあいつが休みだからあんたにしようと思って」
声はハイトーン。
顔はモノトーン。
以前から私は彼女は嫌がらせを受けていたことを知っていたが、大したことは無いと言っていた。
今日はたまたま風邪をひいただけだと聞いていたのだが。
その日から私は嫌がらせの標的になってしまった。
彼女が来た後も、私の机には色々なものが置かれたり、誹謗中傷を浴びたり、そんなもんじゃ済まされなかった。
それでも学校に顔を出せたのは彼女が嫌がらせを受けなくて済んだから。
私が嫌がらせを受けたことで友人関係が崩れるわけじゃないと思っていたから。
しかし、現実は厳しかった。
「おはよう」
挨拶しても、彼女は黙っている。
それどころか、名前を呼ばれることすら無くなった。
彼女も傍観者。
親友という幻想は脆くも儚く崩れ去った。
駆け出した。
逝きたい場所に。
階段を登る音だけが耳に響く。
屋上から見上げた空は雲一つ無い快晴だ。
(どっかに飛んでっちゃいたい)
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