ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ピリオドをください。 ( No.12 )
日時: 2011/01/29 15:58
名前: AW工作員 (ID: 3JtB6P.q)

第三章

ー3つ目。

9億6244万15回目の朝。
気がつけば、私は社会人だった。

いや、正確に言えばフリーターだ。

就活に失敗し生きる事の理由を見失ってフラフラしていた時、彼に出会った。

ある晴れた日曜日。
待ち合わせ場所の喫茶店に向かう。

どんなデートになるかワクワクしながら走っていた。

待ち合わせ時間まで後5分。

(ふぅ…。何とか間に合ったかな)

喫茶店の入り口で手鏡を取り出して最終チェックを済ますと、スキップしそうになるのを抑えて扉を開けた。

「いらっしゃいませ。1名様ですか?」

(失礼ね。私はフリーじゃないわ)

心の中でつぶやきながら、「待ち合わせです」と答えた。

彼が手を振ってくれた。どうやら待たせてしまったようだ。

「ゴメンね。待った?」

満面の笑顔を浮かべ、
機嫌をとるが、

「全然。俺も来たばかりだから」

その必要はなかった。
彼の表情を見ると無理をしてたわけでは無さそうだ。

「そう。良かった〜」

店を出る時、さっきの店員に自慢するように手を繋いで見せつけた。

(どーだ!こんなに格好いい彼氏がいるのよ)