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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ピリオドをください。 ( No.19 )
- 日時: 2011/02/08 20:07
- 名前: AW工作員 (ID: 3JtB6P.q)
私は思わず顔をしかめてしまった。
扉のすぐ後ろには力なく頭を垂れて座り込んだ男。
それだけではない。
真っ白な扉は赤黒い血糊で汚れていたのだ。
さっきの音はこれだったのか。
男の額から血が滴り落ち、床に赤い水たまりを作る。
「藤野さん。大丈夫ですか?」
ナースが藤野と呼んだ男の正面に座り、両肩を揺すって優しく問いかけた。
「…ん。あぁ、看護師さん…痛っ…またやっちゃったんですね?」
男は額を押さえ込んだ。
まるで、揺すられるまで自分が何をしていたか分からなかったように見える。
その光景を見て思わず足がすくんだ。
言い知れぬ恐怖が私を襲う。
その場を離れたい一心で真っ白な廊下を駆け抜けた。
動かなくなりそうな足に鞭を打って、ただ走る。
一体どこまで続くの…?
息が上がってきたが、一向に終わりが見えなかった。
だいぶ遠くに来たはず。もう走らなくても良いだろう。
疲れた両足を引きずるようにノロノロと歩く。
ふと、視線を遠くに移すと、看護師が見えた。
「看護師さ〜ん!」
大きく手を振ってみたが、不思議に思われたらしく近づいてはくれなかった。
仕方がないので、駆け寄ってみる。
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