ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ピリオドをください。 ( No.26 )
日時: 2011/02/21 23:28
名前: AW工作員 ◆DmA4Zkv3S6 (ID: 3JtB6P.q)
参照: トリップつけました

入り口に立つと、
自動ドアが開いた。

“本日の診療は終了致しました”の看板が立てられてるにも関わらず。

まるで罠。

危険、行ってはダメ。
心だけが戦慄いていたが足は進む。

真っ暗な受付フロアには出窓から光が注いでいる。

心は少し和らいだ。

「…重症420号室」

パネルにそのような部屋は無かった。

(やっぱり、ただの夢だったのかな…)

諦めかけたその時。

『戻ってこいよ』
「!!」

あの声だ。

私は声に誘われるように歩き出した。

どこを歩いてるのかなんて分からない。

静寂に足音だけが響き渡る。

滴を落とした水面のように、広がるようだ。

『戻ってこい』

声も強さを増している。

「…ここは!?」

気が付けば、ドアの前ー“重症420号室”だった。

『こっちに戻ってこい』
声も在る。
間違いなくここだ。

南京錠を見やると、

「夢と同じだ」

夢と同じ数字に合わせて解錠した。

南京錠がカシャンと音を立てて床に落ちる。

ドアは開かれた。

「やぁ。朝ご飯にしちゃちょっと早すぎやしないかい?」

同じ声。

彼はベッドに腰掛けて
こちらに背中を向けていた。