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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ピリオドをください ( No.3 )
- 日時: 2011/01/25 22:49
- 名前: AW工作員 (ID: 3JtB6P.q)
第一章
最も悲しかったことは3つある。
1つ目ー。
1万4204回目の朝。
気がつけば私は学生だった。
その朝を迎えてから1ヶ月。私はいつも通り学校に行き、授業を受け、家路につく。
何気ない日常だが帰る家が在ることがとても幸せだった。
「ただいまーっ!」
その日も幸せに胸を膨らませて帰ってきたが、家はやけに静まり返っていた。
「誰もいないの…?」
いつもなら「お帰り」と言ってくれるのに。
そう思いながら靴を脱いでリビングに通じるドアを開ける。
「ただい…」
目を見開いた。
帰ってきて早々、こんな光景を目の当たりにするなんて思ってもいなかったから。
「……お母さん!?」
母が、青白い顔をして仰向けになっていた。
辺りには薬らしきものが散乱している。
「お母さん…!…何で…!?」
いくら叫んでも、肩を揺すっても応えてはくれない。
救急車を呼んだが手遅れだった。
後に分かったことだが、母は多額の借金を背負っていたらしい。
その日から父と私は爪に灯をともすような生活を強いられた。
父は嘆いていた。
母を失った悲しみに。
母が遺した借金に。
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