ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ピリオドをください。 ( No.30 )
日時: 2011/03/31 11:46
名前: AW工作員 ◆DmA4Zkv3S6 (ID: 3JtB6P.q)
参照: お久しぶりです^^

「私、あの病院で検査を受けたの」

「あ…」

彼は一瞬振り向いたが、またすぐに背中を向け、口を押さえて俯いてしまった。

言ってはいけないことを言ってしまったと思ったのだろうか。

「…ごめん」

「いいの。でもね、何で検査を受けてたのか分からなくて…」

彼はただ黙っていた。

「やっぱりあなたも…」
言いかけたときだった。

「ヒカルだ。僕の名前はヒカル」

確かに名前は訊いてなかった。

訊いたところで私はもう彼とは関わらないだろうが。

「僕が君の名前を知ってるのに、君が僕の名前を知らないのは変じゃないか」

「…それじゃあ、ヒカルさん。あなたも変だと思うでしょ」

「変じゃないよ」

そう問いかけるとヒカルは真顔になった。

ヘラヘラしたり真面目になったり、表情豊かな青年だ。

そんなことを思っているうちにヒカルの口から予想外の言葉が飛び出してきた。

「もし咲希が何度も違う人生を巡っているなら」