ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ピリオドをください ( No.4 )
日時: 2011/01/25 22:51
名前: AW工作員 (ID: 3JtB6P.q)

嘆きはエスカレートし、父は酒に溺れ、気性が荒くなった。

いつの間にか、皿が割れる音と顔や体の傷は日常茶飯事になってしまった。

しばらくして、何とか学校には行けるようになったものの、帰るべきあの家はもう無い。

あの、ささやかな幸せはもうないのだ。

そんなことを考えながらぼんやり信号待ちをしていたある日。

まだ赤なのに足が勝手に動き出した。

(あぁ、これからどうなるんだろ。)

私はゆっくり、だが確実にある場所に逝こうとしていたのかもしれない。

しかし、それは叶わなかった。

ブレーキ音が私に近づき、体は跳ね上がる。

一瞬、空中を漂い地面に打ち付けられるまであることを願った。

(生まれ変わったら、家族なんて面倒なものは要らない。)