ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: -KILLERS キラーズ- ( No.3 )
日時: 2011/01/27 21:31
名前: 天使の部屋 (ID: BZFXj35Y)



EPISODE1−1



【殺し屋サイト】


カチカチッ   ……………カチッ


暗い一室、パソコンの明かりだけが辺りを照らす。
そして、パソコンの前に座り何かを検索している制服姿の少女。

「K…I……………COMっと!」

少女はエンターキーをクリックしてマウスを動かす。
画面には、とあるサイトが映し出されていた。





  ─ようこそ 殺し屋サイト‘KillKill.COM’─





「こ、これが噂の………本当なんだ……………」

背景は、満月輝く星空。文字は全て赤く表示され不気味さが漂っている。
少女は目を輝かせながら、若干の半信半疑も抱きつつマウスを動かす。“依頼受付”というアイコンを押した。

────────

依頼人氏名:

依頼内容:



報酬金額:

待ち合わせ場所:

────────


アイコンを押した瞬間、すぐに記入欄が飛び出す。少女は一瞬躊躇ったが、意を決してキーボードに手を伸ばした。


────────

依頼人氏名:暉 真奈 ひかり まな

依頼内容:5年前に両親を殺害されました。警察も2年捜査したのですが、結局犯人は見つかっていません。しかし、私は犯人が誰なのかを知り、その人物を殺し屋さんに探してもらって、殺してもらいたいのです。詳しいことは、待ち合わせ場所で話します。
どうか、この依頼を受けてください。お願いします。

報酬金額:100万

待ち合わせ場所:渋谷区桜丘町カフェ‘リングポット’


────────


「こ、これでいいかな…………?」


中学2年生の[暉 真奈]は恐る恐る、エンターキーを押した。


‘申込完了 明日の午後5時に待ち合わせ場所へ御向かいください’


画面の文字を読むと、真奈は大きなため息をついて、両手を拳に変える。

「パパ、ママ…………復讐は絶対に果たすよ。」

真奈は頷くと、パソコンの電源を消した。



******



プルルル♪  プルルル♪



「………っち。また依頼メールか…」


薄暗い路地裏。若い男性はフードと黒いロングコートで素顔を隠し、右手には血が付着した日本刀。
男性の足元には、腹部を切られて呼吸困難に陥っているサラリーマン風の男がいた。

「ど………どうし………て……………」

「あ?お前の奥さんに頼まれたんだよ。あんたのDVと浮気が嫌だから殺してくれってな。」


「う…………美…奈………子………」


男は妻の名前を最後に言うと、ゆっくりと目を閉じて死んだ。
男性は刀を腰の鞘に入れ、携帯を見ながら路地裏から出ていく。
一瞬だが、携帯の明かりで右頬に大きな切り傷が見えた。癖毛に黒髪、目つきは若干だが悪い。


「100万か。どこかのお偉いさんかな?」


男性は笑いながら言うと、足早にその場から歩き去った。