ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 「死 人 花」 ( No.10 )
- 日時: 2011/01/29 19:31
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: M1RDs2BR)
午前9時30分。
“連”殺人事件調査本部(命名は翔太だ)のメンバーが朝凪家に集まった。
やっぱりと思うようなメンバーばっかだった。
まず、杏奈の親友で成績は学年トップの深淵寺愛。
そして学級委員長・浦木信哉。
最後に動物好きと名高い須藤燕。
この3人をオレ達とあわせて9人がメンバーだった。
愛と信哉はいいけど、燕はどうだろう。
調査に必要な存在とはいえない気がする。
そういうオレもだけど。
ああ、杏奈と唯子さんも。
「これで全員なのか?」
「うん。これで全員。皆にはもう電話で『謎谷さんに事情聴取に行きます』って言っといた!」
「杏奈、お前見かけによらず仕事早いな」
「えっへん!これがこの濃い青色メガネの効果なのです!」
「知らねぇけど」
杏奈がほっぺたを膨らませてすねる。
こういうときでもやっぱ可愛い。
そういや、唯子さんの顔まだ見た事無いけどどんな顔だろう。
この二人の姉貴だからきっと美人だろうなー。
「さ、みんな集まったな!」
「某有名子供向けアニメの冒頭部分みたいなことは言わなくて良いよ」
愛が翔太にビシッとツッコミを入れる。
「ひでぇな愛。いいじゃねーかバーカ」
「餓鬼が」
「ひでぇ!」
「漫才はいいので、謎谷さんの家に行きませんか」
「「・・・ハイ」」
優しめな声で二人をたしなめるように信哉が言うと、二人は素直にハイと言った。
「じゃ行くか!皆、道は知ってるよな」
「当然だよ」
ほわん、とした声で燕が返事をした。
燕の声は中性的で、一瞬男か女か分からなくなる。
でも顔は普通に細身の少年だ。
とにかくオレたちは集団で謎谷さんの家に向かった。
「なっぞたーにさーん!」
変な節を付けながら杏奈が呼び鈴を押す。
もう呼び鈴、押さなくていいだろ。
ピンポーン
やはりありふれた音がした。
が、中からは誰も現れない。
再度呼び鈴を押すが、やはり誰も出ては来なかった。
「留守・・・かなぁ」
愛が真面目な顔で言った。
「だろうね。多分、買い物にでも行ってるんじゃないかな」
これは祐介。
「チクショー!!!片道1kmだぞ!?なのに居ないってどーゆーことだよ!!!」
少々荒く言うのは翔太だ。
「仕方ないですよ。帰りましょう。また明日アポを取ってからにしましょう」
残念そうに信哉が言った。
仕方ない。留守なら。
ということで俺達はまた集団で朝凪家に戻った。