ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 「死 人 花」 ( No.11 )
日時: 2011/01/29 19:53
名前: 霧雨柚乃 (ID: M1RDs2BR)

朝凪家に戻って俺達は絶句した。
謎谷さんの用が分かったからだ。
というか謎谷さんを見かけたのだ。

———ばあちゃん家で。

ばあちゃんは謎谷さんと笑いながら玄関前でしゃべっていた。
勿論、ばあちゃん家と朝凪家は1mくらいの距離しかないから、それが見える。

「あのまま待っていたら謎谷さんにはすぐ会えたんだね・・・」

ぶすっとした顔をした燕が言う。

「いや、多分あえても死人花のことは聞けないよ。だってばあちゃんの前で聞くことになるし」

これはオレ。

「智影の言うとおりだよ。婆様に聞けないから謎谷さんに聞くんだからさ」

杏奈がもっともな事を言う。
こういうときにズバリと正論を吐くんだよな、杏奈って。

「皆、もう謎谷さんに死人花のことを聞くのは諦めたほうが良いよ」
「何で!?」
「謎谷さんはもう婆様に釘を刺されてる。ボクらが死人花のことを聞いても答えないように、って」
「どうして分かるんだよ祐介」

翔太の問いに祐介はフフ、と笑って

「監視カメラの映像を見た」

「「「「「「!!!!!!!!!?????????」」」」」」

再び沈黙。
皆もすげぇな祐介、と思うと同時に怖いな祐介、と思っているだろう。

「と言ってもこの監視カメラは唯子姉ちゃんが仕掛けたんだけどね」

前言撤回(前思撤回?)
唯子さん、すげぇな。

「な、なんかお前ら姉弟すげぇな」
「同・・・感・・・です・・・」
「ここまで来ると恐ろしくなるね」
「別に」

祐介は恐れおののいた感じの翔太・信哉・愛を軽く無視した。

「とにかく、コレ唯子姉ちゃんの手作りだから音声までは入ってない。でもほら、ココ」

パソコンのモニターを見る。
そこにはばあちゃんが謎谷さんに何かを耳打ちしたところが映っていた。

「唯子さんの手作りってトコもだけど、すごいわねこんな事出来るなんて」
「まあね。ボク、今から唯子姉ちゃんのトコに行って監視カメラ音声付を作って貰うように言ってくる」
「マジ!?」
「お姉ちゃんの所に行くの!?」

何かすごいことみたいになってるけど、唯子さんのいるところは家の2階なんだよな。

「うん、行く。多分作ってくれるから。カメラは多いほうがいいだろうし」

さすが、祐介とオレは心の中で何回も思った。