ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 「死 人 花」 ( No.13 )
- 日時: 2011/01/30 09:09
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: MQ1NqBYl)
第三章 理由と酒盛り
昨日・・・いや、今日か。
午前1時くらいに祐介が唯子さんの部屋に行って、監視カメラ録音機能付を依頼したらしい。
唯子さんの活動時間ってそんな遅いんだな。
祐介曰く、作ってくれるという。
しかも2、3日でだ。
凄いな。
オレ杉野町に来て『凄い』って何回言った?
「でも唯子姉ちゃんがOKしてくれるとは思わなかったなー」
アイスを食べながら杏奈が言った。
今日の眼鏡はオレンジと薄い赤だ。
すっごく活発になれるという(杏奈談)
「それにしても唯子さんってどんな人だ?」
オレ、生まれてから一度たりとも唯子さんに会ったことないんだよ。
あ、ちなみにオレはアイスじゃなくてカキ氷を食べている。
「うーん、変人?」
バッサリいいますね杏奈さん。
自分の姉ちゃんのこと“変人”言うか普通?
「というよりオタク?」
「もうちょい歯に衣着せろよ」
「ごめん無理。私もあの人のことよく知らないし」
家族だろーが。
「でも智影が会ったことないなら会いに行こうか今から」
「はい!?」
食ってたカキ氷を床に落としてしまった。
いきなりだったから、かなり慌てた。
「なにやってんの」
「ゴメン。すぐ拭くから」
「待ってて、タオル取ってくる」
杏奈が風呂場に走った。
ここの家のタオル、風呂場の前にあるんだ。
「どうしよ、コレ」
緑色のカキ氷が暑さでどんどん溶ける。
オレも溶けそうだよこの暑さ。
30秒くらいして杏奈が戻ってきた。
タオル2枚を持って。
「はいタオル」
「ありがと」
タオルを一枚受け取り、カキ氷を拭く。
杏奈はもう一枚を水で濡らしてから拭いた。
「じゃあオレ、風呂場に持っていくから」
杏奈のタオルを受け取り、風呂場に行く。
そして洗濯機の中に放り込んだ。
「?」
ふとこの部屋の隅を見る。
新聞紙が積まれているのはいつものことだ。
でも一番下に、すごく古いのがあった。
手を伸ばしてとる。
内容は・・・
62年前の殺人事件。