ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 「死 人 花」 ( No.14 )
日時: 2011/01/30 09:27
名前: 霧雨柚乃 (ID: MQ1NqBYl)

その新聞はすごく古くて、端っこにはカビが生えていた。
でも読まずにはいられなかった。
この事件は62年前に杉野町で起こった事件なのだ。

「杉野町笹竹で日野俊介(43)が何者かに殺害された・・・」

その俊介さんという人は、酷いやつだったらしい。
近所の家の犬猫を殺しまくり、他人から恐喝して現金を奪ったり。
だけどこの人はかなり怖い顔の巨漢だからだれも逆らえなかった。
そんな人が殺されたのだ。
皆喜んだだろうなぁ。

「というかコレ、皆に見せよ!」

オレは杏奈のとこに急いだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


何か昔の私達の罪をかぎまわっているヤツがいるようだ。
だが無駄だ。私達は正しいのだから。
それにもう警察沙汰にはならない。
私にはその確信があるのだ。

でも、少なからずあいつらに恐怖を与えなくては。
そうだ。
あいつを行方不明にしよう。
ああ、安心していい。
殺しはしない。

死ぬよりもいなくなったほうがより恐ろしいこともあるのだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


杏奈に頼んで、皆を呼んだ。
この新聞をみせるために。

「これがどーかしたのかよー」

関係ないだろ、と翔太が言った。

「いや、あると思いますよ」
「何でだよ」
「だってこの事件、ここで起きた事件なのでしょう?だから何か関係があるのかもしれません」
「いやいや・・・62年も前のことだぞ?」
「もしそんなに前のことを———そうですね。この事件の犯人の子供とかが誰かに知られて・・・とか」

ぞっくぅぅぅ。
信哉、真顔で言わないでくれ。怖い。

「もしかしたら脅されたりしたかも」

うなずきながら愛が言った。

「だけどそんな昔のこと、誰が気にするんだよー」
「翔太の言うとおりだよ。もう時効になってるよ」

確かに。燕が言うことは正しい。
でも何か関係があるとしたら。
それが連に関係していたら。

オレたちは一応だがこの事件を調べることにした。