ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 「死 人 花」 ( No.7 )
- 日時: 2011/01/28 21:15
- 名前: 霧雨柚乃 (ID: 3iZuTr1t)
オレは気を失って、翔太の父さんに家まで運ばれたらしい。
あーはずかし。
でも連が殺されたとか、信じたくなかった。
・・・信じられなかった。
だって連は他人に恨まれるようなことしてない。
むしろ逆で、レンレンという愛称で呼ばれてたくらいだ。
なのになんでって思わないほうがおかしい。
「ばあちゃん」
「何?」
「連・・・殺されたの?」
ばあちゃんは真面目な顔をして、いった。
「あの子は死人花に取り殺されたとよ。私には分かるんや」
「え」
「死人花はヒトの魂をとる。私もその一人や。智影も気ぃつけぇ。油断したらアカン」
ばあちゃんのこんな顔、始めてみた。
ありえないくらい、真剣だった。
そして・・・なんだろう。
とても怖かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
どれくらい時間がたった?
どれくらいの時が過ぎた?
分からない。でも満たされている。
あいつが居なくなった。
それだけで私は—————
私達は、満たされている。
これで良いのだろう。
これで私達の心は、身体はすべて救われる。
救われるんだ!
だから私達がやったことは正しい。
正しいといわないと、私はおかしくなってしまいそうだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
午後9時。
オレは翔太の家に電話した。
お礼もかねて。
そして、あの返事もかねて。
「あ、翔太?」
翔太が出た。
ちょうど良い。
『あ、智影。何?』
「お礼、言っとこうと思って」
『いーよいーよ。運んだの、オレじゃねーけどww』
「あと返事をしようと思ってな。オレ、お前を手伝うよ。連を殺したやつ、見つけよう」
一瞬、間が空いた。
『マジ!?すっげぇ嬉しい!!!実はさー、杏奈とかも言ってたんだよね!そしたら良いよって言ってくれて』
「おまえ、杏奈にも声かけてたのかよ」
『おう!祐介とか唯子さんとかも手伝ってくれるって!』
【!】多いなオイ。
『とにかく俺らでがんばろうぜ!解決してやろう!』
「おう。そうだな!」
これを後悔するまであと一ヶ月。
止めときゃよかったと思っても無駄無駄。
もう歯車は回り始めたんだから。