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Re: 「死 人 花」 ( No.8 )
日時: 2011/01/28 21:41
名前: 霧雨柚乃 (ID: 3iZuTr1t)

第二章 調査開始?

翌日。
朝食は味噌汁、ごはん、そして焼き魚に酢の物と和食のフルコースだった。
さすがばあちゃん。どれもこれも美味しい。
食べ終わると、朝凪家に行く。
昨日はばあちゃん家に二人とも居たけど、ちゃんと自分の家がある。

ばあちゃん家から1mくらいのとこに。

呼び鈴も押さずに玄関の戸を開けてあがる。
ちょうど朝ごはんタイムが終わったくらいなんだろう。
ガチャガチャと食器が擦れる音がする。

「あ、智影君。こんな朝から何の用?」

クールな声でラノベを片手に祐介が言った。

「いや、杏奈と祐介に用があってさ」
「聞きたいのはそこじゃないんだけど」
「あ、ハイ。すいません」

何でオレが謝ってんだよ!
11歳小学5年生に!

「いや、連のことで」
「その話なら姉ちゃんも一緒がいいだろうね。呼んでくる」

さすが話が早いですね祐介さん。
頼もしいっす。

3、4分して祐介が杏奈を連れて来た。
意外と遅かったな。
多分杏奈がゲームでもしてたんだろうけど。

「何?智影」
「いや、連のことで」
「ああ、連のこと・・・」

杏奈は悲しそうな顔をした。
ふと祐介を見る。
やっぱりこういうときでもクールだ。
整った顔は感情を少しも表に出してない。

「連君は殺された。何か鋭利な刃物で心臓を一突きされて。即死決定らしかったけど、近くの・・・」
「ちょっと待て。何でそんなこと知ってるわけ!?」
「ハッキングした。逆探知は出来ないようにしてる」

それ、クラッキングって言うのでは?
というかすごいなこの11歳。
そういうことできるんだな。
しかも逆探知できないようにするって・・・。

「続けるよ。近くを通りかかった人に『死人花』『殺される』の二単語を言って死亡したらしい」
「何かものすごい事を淡々と言ってのけたね」
「だって私の弟よ!」
「うん。聞いてない」

連は『死人花』のほかに『殺される』って言ったんだ。
翔太言ってなかった。

「で、どうする?これだけじゃ調査にもならないよ。死人花って彼岸花のことだし」
「あ、翔太言ってた」

はあ。

あきれたようなため息。
祐介は気に入らないのだろう。どこかが。

「それ、ボクが調べて言ったんだけど」

そんなことだったんだ。
仕方ないか。祐介プライド高いからな・・・。
杏奈はボケーっとして、俺達の会話を聞いていた。
そんな顔もかなり可愛い。

でも、内心不安になってきた。
こんな奴等で事件解決できるのか・・・?