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Re: 僕たちの求めた絶望色〜赤編〜朔様にキャラ絵描いて貰ったよ! ( No.123 )
日時: 2011/11/08 21:15
名前: 色茱萸 (ID: lkF9UhzL)
参照: http://loda.jp/kakiko/?id=1125.png

第三十一.五話


昨日は夢を見ませんでした。

怖い夢も楽しい夢も続きの夢もありませんでした。

けれど、一つだけ夢か夢じゃないのかわからない

異様な記憶が残っています。

私の愛する人たちが

みんなみんな、何処かへ逝ってしまうのです。

ついて行こうと走り出せば、その足が消えてしまいます。

助けようと手を伸ばすと、その手が消えてしまいます。

そうして最後に私の本体は

全部消えてしまうんです。


お母さん、天国ってありますか?

其処は本当に楽園ですか?

お父さん、地獄って存在しますか?

其処は本当に絶望的ですか?

春ちゃん、罪人って誰ですか?

何処から何処までの範囲が、罪を犯した人なのですか?

ディアーブル、本当の強さってなんですか?

綺麗事を並べてるだけなのに、どうして強さと言えるのですか?

誰かさん、幸せってなんですか?

どうしていつも、私の幸せは途切れてしまうのですか?


もっと知りたいことがあったのに、

どうして私は消えるのですか…?


どんどん私の中の記憶が消えていくとしても

きっとこの記憶と疑問だけは残ってしまうんです。

春ちゃん、私を思い出しそうになってましたね。

でももう必要ないんです。

物語はもう終わりを迎えてしまうから…

ディアーブルからも私を消してあげますから、

その時はきっと、春ちゃんも幸せに暮らせますよね。


お母さん、あなたの優しさが大好きでした。

お父さん、あなたの厳しさが大好きでした。

春ちゃん、あなたの笑顔が大好きでした。

ディアーブル、あなたの親心が大好きでした。


さよならって言わせてくれなかった

貴方達が大嫌いで、大好きでした。

最後に伝えたい言葉といえばやっぱり、定番中の定番。




———ありがとう。




産んでくれてありがとう。


育ててくれてありがとう。


遊んでくれてありがとう。


想ってくれてありがとう。



それでは、また逢う日まで

今は、さようなら……————