ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕たちの求めた絶望色〜赤・白・黒〜 ( No.48 )
- 日時: 2011/07/06 21:04
- 名前: 色茱萸 (ID: nC4FdBJT)
- 参照: http://loda.jp/kakiko/?id=631.jpg
第六話
男の…『ディアーブル』の最後の涙の理由を、
私が知るのは後数年先のこと……————
あの後、倉庫で気絶していた私を
偶々通りすがりのトラックのおじちゃんが
児童施設まで運んでくれた。
…まぁ施設の人に聞いた話だから
本当かどうかは分からないのだが。
何故身内に引き取られず、施設へ
私が預けられたのか…
きっと親族そろって私を引き取るのを
嫌がったのだろう。
祖母も祖父も、とっくの昔に死んでしまっているから…
そして、施設に入ったは良いものの、
その中で一人の友達すら出来なかった。
最初はあの事件のことを思い出しては
一人泣いていた。
いくらか声をかけてくれた人もいたが、
軽い対人恐怖症になったいた私が
人と笑いあえるはずもなく、
皆つっぱねていた。
施設の子供たちは呆れて私の傍から皆
離れていった…
そして季節は7年目の、春。
私は中学3年生になっていた…
…中学校へ通っていればの話だが。
15歳……思えばあっという間だったなぁ…
今の私の頭にあることは
忘れもしないあの男、『ディアーブル』と
復讐をするための、準備だけ………————
今から話すのは私の心……気持ち、かな?
まぁ独り言と思って聞き流してくれても
構わないような内容だ。
あの頃…あの事件当時から私の感情は
『憎しみ』 『怒り』 『嫌い』
などの、汚い感情しか生まれてこなかった。
でも…でもね?
これだけは言いたい。
ホントのホントは、
どこかにあったのかもしれない…
心の奥の隅っこに、小さく…
『悲しみ』や『羨ましい』
っていう感情が。
ホントはずーっと、
誰かに話を、聞いてほしかったんだ…
いっぱい話して…
いっぱい泣いて…
あんなことがあったんだよって、
助けられたくなかったって…
一緒に死にたかったって言って、
そうして、駄目だよって…
…止めてほしかった…
思いっきり、
泣きたかったんだよ…?
ねぇ。
貴方たちは
私のこの苦しみを
リ カ イ デ キ ル ヒ ト デ ス カ ?