ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ─ESP remake version─ ( No.2 )
- 日時: 2011/01/29 23:39
- 名前: 遊太 (ID: BZFXj35Y)
01【超能力を持つ青年】
東京 百宮学園高等学校
平凡な1−2のクラスに、主人公である青年はいた。
「ここは、√が重要であり・・・・」
数学の授業中、青年は一番後ろの窓側の席で外を眺めていた。
「暇だな〜ぁ。」
名前は海藤天馬。見た目は平凡。成績も運動神経も普通。しかし、高校1年生で‘特別’な能力を持つ。
パチン! ボゥッ!
天馬が指パッチンをすると、小さな音と同時に人差し指が発火する。天馬は生まれたときから炎を扱えるのだ。
そう、天馬はパイロキネシスという炎を操作できる超能力。
しかし、このことは家族には勿論、友人も知らない最大の秘密である。
「天馬、勉強大丈夫なの?」
天馬が外を眺めていると、隣の席に座っている幼馴染の水崎七海が話しかけてきた。
「数学は大丈夫なんだよ。問題は英語だけだ。」
「・・・分かったよ。」
天馬は冷たく七海に言葉を返す。七海はそのことに怒り、椅子を蹴飛ばし勉強に戻った。
「痛って・・・」
蹴られた衝撃で、天馬は窓に頭をぶつける。
「ばーか。天馬のばーか。」
七海は少し笑いながら天馬に言う。天馬もつられて笑うと、再び外に視線を移した。
空は青く晴天で雲ひとつない。
平和な人生が、これからも続くだろうと天馬は思っていた。いや、いつの日からか確信していた。
誰もがそうだろう。
しかし、今日で自分の人生が変わるなんて______
天馬は思ってもいなかった______
**********
放課後.....
天馬は学校を終えると、自宅へと帰宅していた。学校から距離も遠くない、世田谷の高級住宅街に自宅がある。
いつも通りの道を歩いていると、天馬の目の前に突然制服姿の女子高生が現れた。
「うわっと!!」
天馬は驚き、女子高生とぶつかってしまった。女子高生の方はバランスを崩してその場に倒れた。
制服を見ると、天馬の通う百宮高校の制服ではない。天馬は立ち上がると、急いで女子高校生に駆け寄った。
「だ、大丈夫ですか?」
天馬が女子高生に声をかける。女子高生は俯いたまま顔を上げず、天馬の肩に手を置いた。
その時だった。
「君が例の超能力者だね。」
女子高生は天馬を見ると、右手の平をこちらに向ける。
その瞬間、右手の平から緑色の電撃が飛び出し天馬の顔面に激突。
「うっ!!」
天馬はショックでその場に気絶し、地面にパタリと倒れた。
女子高生は平然と立ち上がると、天馬に駆け寄り辺りを見渡す。そして、天馬が気絶していることを確認した。
「よし!!完璧♪」
女子高生はそう言うと、天馬を抱えてその場から歩き去った。