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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: お嬢様と執事。 ( No.19 )
- 日時: 2011/02/05 17:38
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
Ⅱ 「招かれざる人形」
人形達の元に届く、闘いの合図の文。それが届けば、何があろうと闘わなくてはならない。
逃げる事もできる。だが、逃げれば不足人形と言われ、永遠に人形としての屈辱を受け続けることになる。
「12時、低俗なパーティーが開かれた会場。
血染めの絨毯、壊れる壁、闘う人形。
いざ、決闘を始めん。勝者のみが“完璧-パルフェ-”となれるだろう。
完璧のみぞ出会える、最愛の神の元へ導かん」
その文が、決闘の証。その文は人形の元へ、今日届く。書き主は、昨夜のパーティー会場にいなかった人形。
「皆闘うだろう。私達が望むのはただ完璧のみ。皆、完璧を求めやってくる」
噎せ返るほどの邪気を見に纏い、黒薔薇の指輪を輝かせるのはラ・メイユール・レーヌと呼ばれる人形。
最強と評される狂った人形。彼女薔薇人形の生みの親の人生最大の失敗作。
「完璧になれたら、その先には何がある? 俺には馬鹿馬鹿しい事としか思えない」
ただ完璧を求め、この世の唯一の肉親を自らの手で消して行く。そんなに薔薇人形の生みの親に会いたいのか?
生みの親に会えたら何になる。よくここまでやって来た、と誉められるのか。
その疑問が顔に出ていたのか、または読心術か。ラ・ヴェリテの思考は完全に読まれている。
「……。私達が求める完璧とは、我らの生みの親の初恋の女。親の望みを叶える為、我らは殺し合っている」
「ただ、初恋の女になる為だけに?」
だとしたら、お前たちの生みの親は相当身勝手なだけだ。初恋の女なんかが目当てで……。
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