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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: お嬢様と執事。 ( No.21 )
- 日時: 2011/02/05 18:00
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
12時、終わりと始まりが交わる時間。その時刻に、人形達の殺し合いは始まる。
ただ一人しか知らない純粋さを秘めた、命懸けの戦いが始まる───。
「どうやらお前達は私だけを敵視しているようだが……。皆敵である事に変わりはない。それをお忘れなき様」
ラ・メイユール・レーヌがそれを告げる。冷酷に、残酷に。これから始まる闘いである様に。
「解っているわ。そこまで馬鹿じゃないもの」
そう告げるのはルージュ。勿論、アンジュも、ラ・ヴェリテも、ラ・シャッスもこの場に立っている。
「だけど、お前は強すぎるんだ。誰も一人ではお前を倒す事は出来ない」
ラ・シャッスの的確な言葉。喩え有能な戦士でも、一人ではラ・メイユール・レーヌを倒す事は出来ない。
「一時的にアンジュ達は仲間なの。でも、貴方が壊れれば……」
一時的に手を取り合ったとしても、目標が壊れればまた敵となる。悲しくても、辛くても、逃れられぬ事。
「参りますよ。これで、全てが終わってくれるなら……」
泣きそうな顔をしているのはラ・ヴェリテ。一番争い事が嫌いで、心やさしき人形。
「今回は騎士同士で闘う事はない。ただ力の媒介として己の人形の傍に居ればよい」
騎士の力は指輪を通して人形に与えられる。力の媒介として、今回はただ見守ることしか出来ない。
だが、もし騎士が他の人形と契約を交えるようであったら、その騎士と契約していた人形の身体は消える。
何が破損するよりも激しい痛みを永遠に纏いながら、この世から消えて行く。
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