ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: お嬢様と執事。 ( No.28 )
日時: 2011/02/06 11:28
名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)

Ⅳ 「終焉が欲しいですね。」




「おお、待っておったぞ───」

最期の勝者はラ・メイユール・レーヌか。


「お会いできて光栄です。お父様」

白髪で、皺もあって……。老いてしまっているけれど、その青い瞳は希望の輝きを消していない。


「お前にパルフェの魂を授けよう。私とお前は一生離れる事はない」

両手で大切そうに掬われている青く輝く魂。澄んだ輝きを持った魂は、パルフェの象徴。


「……」

お父様が胸の前で魂を離す。その魂はラ・メイユール・レーヌの胸に収まった。



「おお、パルフェ……!! もう一度会えると信じていた! もう私とお前を邪魔する者はないよ!」


涙目で感動しているお父様。でも、パルフェの魂が埋められた私の胸には、鋭く尖るナイフが在る。


「……」


お父様に抱き締められながら、ただ微笑みを湛え、胸元のナイフに手を伸ばす。


「お茶にしよう。さあ、昔のように思い出を語り合おう……」

美しい薔薇が咲き誇る庭園の真ん中に置かれた、小さな白いテーブルと椅子。


聖地と呼ばれるに相応しい美しい場所が、これから血で汚れる。



「ええ、そうしましょう。お話したい事は沢山あるわ」


さようなら、喩え私は不足人形以上の辱めを受けようと、私は全てを止める為にその選択をした。



      最愛の姉妹たちだけが知っていればいい真実だわ。