ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 羽をもいだ天使と白羽の悪魔~あ、参照100突破です!~ ( No.32 )
- 日時: 2011/04/02 11:10
- 名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: ついったーやってる人いませんか?いたらフォローしあおうぜ!!
「『死にたい』なんて簡単に言える、けれどそれを実行するのは難しすぎやしないかい」
*第一羽**堕天使と白い悪魔*
夕暮れに近い、真っ赤な空を見上げながら、1人の青年は言う。
「口では簡単に言えるけどなぁ、本当にそれを実行出来るかどうか考えてみやがれ。ほら、死にたいんだろ?だったら死ねよ。オレのこの綺麗な尖った白い羽根を心臓にブッ刺しゃ死ぬから」
彼の目の前にいる男に向かって。
「ッ…い、や、止めて下さ…い……っ。ごめ、ごごごめんなさい、もう死にたいなんてここここ言葉はいいいい言いませんっ!!」
そう言って走り去っていく。
「ったく、近頃の大人ってのは直ぐに死にてえだのもう嫌だの、弱音ばっか吐きやがって。これだから大人は馬鹿なんだ。
……死にたくて死ねないオレの気持ちなんて知らないくせしてさ」
自分の肩甲骨から生えている、真っ白な羽を見て呟く。
彼の両腕を伸ばしてもまだ足りない程の長さ。
羽を振るわす度に、羽根が落ちる。
「さてと、気晴らしにリクーエルにでも行ってくるとするか」
リクーエルとはあまり人がいない草原で、彼のお気に入りの場所なのだ。 草原の緑以外は殆ど色が無く、落ち着く場所であるそうで。
「あ、でも仕事あるんだった。 まぁいっか」
&
「--------------------------------------っああああああ!?」
朝。 派手ではないベッドの上で、叫びながら彼女は目覚めた。
「良かった…ある…」
背中に手を回し、白い羽を触る。
「にしても怖い夢だったなぁ…。まさか羽を切り落とされる夢をみるなんてね…」
モコモコしているスリッパを履き、彼女——リファイルはあくびをする。
「さってと、朝ご飯は何食べようかな。 あー、作るの面倒だからコンビニでも行ってこようかな」
独り言のようにぶつぶつ呟きながら、速やかにパジャマから洋服に着替える。
てきぱきてきぱき
物凄く早い、まるで風のようだ。
わずか20秒でパジャマからショートパンツにタイツ、薄ピンク色のパーカーを着て、ムートンブーツまできっちり履いている。
「流石あたし。着替えのスピードは宇宙一かもしれないわ」
そんなことを言いながら、家を出る。
「何っでこんな寒いんだか。わけわかめだよ」
灰色の空に浮いている雪を見詰めて不機嫌な顔をする。
「これだから寒いのって嫌いなんだ、雪って嫌いなんだ。羽は汚れるし濡れるし傷むし」
また呟きながら歩いていたが、ふと立ち止まり、
「あ。 財布忘れた」
全速力で財布を取りに戻った。
