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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 地獄生活脱出法。〜キャラ募集〜 ( No.19 )
- 日時: 2011/02/08 16:15
- 名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: sX8dkNn6)
『目2』
悠之介は和葉を震える手で抱きしめた。
和葉は光も、闇さえも何もかもが見えない世界に迷い込んでしまった。
「か・・・ずは・・・・・」
涙声でうろたえる悠之介の姿を和葉は見る事もできない。
ボロボロになった赤のスニーカーに涙が滲み、涙が落ちた部分だけ色が変わる。
何で、こうなった?
何をしたら??
和葉が何をしたっていうんだ?
「煙じゃ・・・。」
雄鬼は独り言のように呟いた。
「煙———・・・?」
涙目で悠之介は訊く。
「そうじゃ、煙じゃ・・。あの火の煙をすいこんだからじゃ!!あの煙に何か毒性のものが入っていたんじゃ!」
言葉を失った———・・。
敵国の国民に障害をあたえ、殺す———・・という作戦に。
涙しか出ない。
和葉———・・・
和葉
和葉
悠之介は地面に寝っ転がって声を上げて泣き出した。
和葉は、手で悠之介のいる場所を探る。
和葉に頭を突かれて悠之介は顔をあげた。
し ん ぱ い し な い で
和葉はそう口だけを動かした。
「私は———・・。もう私の寿命は尽きたも同然だわ・・。だから——・・悠之介と雄鬼君が、この戦争を終わらせるの——・・・。」
それだけ言うと和葉はふらついた覚束無い足で歩き出した。
「ちょ・・和葉ちゃん!ちょい待っ・・・・」
雄鬼は和葉を追いかけていったが、悠之介はその場に座り込んで
いた————・・。
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