ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 地獄生活脱出法。〜キャラ募集〜 ( No.25 )
日時: 2011/02/09 17:29
名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: sX8dkNn6)

『母と子』

「残念ですが———・・・。」



嘘でしょ?

医師の言葉が信じられない。
私の中で何かが弾けて壊れた。





お母さんが、死んだ——————・・・。




涙しか出てこなかった。
他に出すものはない。
私は無の人間だから——・・・。

お母さんはお父さんと離婚した。
お父さんとの思い出は「虐待」しかない。
毎日のように蹴られて、殴られて。
私はお母さんの方に引き取られ、毎日必死に生きてきた。
今まで積み重ねてきたものが——・・・。
戦争が私とお母さんの積み重ねを崩した。


酷い


でも、私が反抗したって踏み潰されるだけだ。
蚊が人間に叩かれ殺されるのと同じ。
弱いものが強いものにどんなに反抗しようと勝てる筈がないのだ。
そう、このように出来ているから人間関係は成り立つの。


でも、今回のは酷すぎる。

天皇の馬鹿げた行動により、沢山の人々が怪我をし、死んでいく。
お母さんもその一人だ。

涙が頬をつたって落ちる。

「遺体はどうしますか・・・・?」
看護師は訊いた。
涙声で
「そちらで・・・、そちらで預かってください・・・戦争が終わったら必ず取りに来ますから・・・。」
と告げた。
お母さんに「また来るから」と伝え、黒焦げになった手を握ってから診察室を出た。

バタンと音を立ててドアが閉まる。
その途端、今まで以上の涙が溢れ出し、目の前がぼやけた。
私は床に膝をつき、顔を手で覆って只管涙を流した。
お母さんがこの世のものではなくなってしまった。
絶望感・・・。
でも約束をしたんだ。
「また来るから」と。
私はその約束を果たすまで死ねない。
そう、絶対に生き残るの。
お母さんのために・・・・・。