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Re: 地獄生活脱出法。〜キャラ募集〜 ( No.26 )
日時: 2011/02/09 22:13
名前: 真由子 ◆NCebuCi9WY (ID: sX8dkNn6)


『出会い』



アリサという悠之介の隣に座っていた子が一人で診察室から出てきた。
雄鬼は胡坐を掻きながらも真剣な目をしてる。

アリサは床に膝をつくと、顔を手で覆って泣き出した。
きっと母親が死んだのだろう。悠之介はそう思った。
診察室のドアの前にいたアリサは出入りする人の邪魔になっていた。
「オイコラ邪魔なんだよ、退けよ」
中年の男が来てアリサを睨みつけた。
「・・・すっ・・すいません・・・」
アリサは真っ赤な顔をあげた。
中年男は舌打ちをして、アリサを突き飛ばした。
「世間知らずの糞餓鬼めが!親の顔が見て見たいわ」
男はアリサの母親がたった今死んでしまったのを知っているような顔をしながらそういった。
ずっと見ていた悠之介の我慢も限界だった。


「ちょっと彼方!今この子に何しました?言ってくれます?」
女の子・・・?ブレザーにジャージという奇抜な格好をしている。
歳は・・・中学生か?

険悪なムードが漂う中、女の子は中年男の胸ぐらを掴む。
「餓鬼が何を言う!こっちはなぁ・・・・・・・・」



「!!!」



ドサッと言う音・・・。
一瞬の出来事だった・・・。
男はドアに痛そうに凭れ掛っている。

「彼方、大切な人を失った事ある?それがどんなに辛い事か知ってる?どんなに・・・辛い事だか・・・。」

女の子は辛そうな顔をする。
「わ・・・悪かった・・・・」
男は逃げるようにして診察室に入っていった。

「君、大丈夫?」
悠之介はアリサに手を差し出す。
「あ・・あっありがとうございますっ」
アリサは顔を真っ赤にして御礼を言った。
「大丈夫だった?」
男を吹っ飛ばした女の子はアリサの体を持ち上げる。
「だっ、大丈夫です!さっきはありがとうございました!」
「大丈夫って言ってるけど、頬、血出てるよ?」
大丈夫と言ったアリサの頬は切れていて、血が滲んでいた。
あ、本当だ、とアリサは頬を手で押さえた。
「私は山下椿。貴方達は?」
女の子、椿は二人に向かって言った。
「あっ・・・私は古畑アリサです。カタカナでアリサって書くんです。」
「俺は瀧口悠之介。あと連れが2人いるんだ。紹介するよ。」



第三次世界大戦が始まってから一週間が経っていた————・・・。