ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— ( No.10 )
- 日時: 2011/03/05 11:55
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: WylDIAQ4)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
落ち着け、落ち着け。
と自分に言い聞かせる。 一旦深呼吸しろ。
すぅーはぁー。 これでよし。
自分の中では冷静になったつもりでこの状況下を確認する。
キョロキョロと文字通り360度見渡す。
これって多分、いや絶対この部屋は——
『 密 室 空 間 』 じゃねぇかよ。
壁はすべて真っ黒だ。 丁寧に天井まで着色されてやがる。
朝か昼か夜かも分からない。 晴れか曇りか雨すらも。
しかも6畳ほどの狭さと来た。 こんな所に監禁でもされたら気が可笑しくなりそうだな。
実際監禁状態なのは触れないで現実逃避する。
はぁ… なんだか頭が痛くなって来た。
一体、どうすればいいんだよ…
ずるっ。 俺は壁に背をつけ寄り掛かる。
硬い感触と冷たい感触が背中を撫でる。
——壁は硬い。 当たり前のことだがな。
此処から出るにもどっかの壁をブチ壊さなきゃいけない。
しかも素手で、そんな事が出来んのか?
たかが普通の高校生が。 ふざけんなよ。
本当に、どうすればいいんだよ——
盛大な溜息を漏らし顔を伏せる。
とその時手が一瞬何かに触れた。 硬い金属の様なものだった。
あれ、今気づいたが俺服装変わってるぞ。
七分袖まである黒い無地のTシャツにカーキ色の襟付きベスト。
胸には小さいポケットが幾つか。
首には漫画にでも出てきそうなデザインの深緑のような黄色のようなそんな色のゴーグルが提げられている。
手には指先が露出している黒い手袋。 ちゃんと両手揃っている。
ピッチリと肌に吸い付くようなサイズのパンツ。 これも黒だ。
靴も漆黒のスニーカーぽい。 とても軽い素材で出来ているのか、靴を履いてないような履き心地だ。
そして右太ももの付け根に近い部分に、何か重い違和感を感じ何かを確認する。
そこには、黒革で出来たベルト…?
の様なものが着けられており、その横には此方も漆黒に染まった金属の様なものが提げられていた。
じーとその金属を見つめていると——
頭がこの金属が何か、答えを出してしまった。
……おい、何か俺はヤバい物を見てしまった気がするんだが。
電球の明かりに照らされ怪しく黒光る凶器を。
俺は色々な事で混乱してるんだ。 そのせいで何かを見間違えたのだろう。 きっとそうだ。
顔を一度上げ、もう一度深呼吸をする。
なんかの見間違いだ。 もう一回見たら金属は無くなってる。
そう思わないといけないぐらい俺は動揺していた。
そんな思いを胸に抱きながらそーっ…と目線を下げる。
変わってくれ、変わっててくれ…
だが俺の思いも虚しく、もう一度その漆黒の『拳銃』を目にするのだった。
「……」
何も、声が出ない。
有り得ない有り得ない。 これは夢なんだ。とても悪い夢だ。
誰だこんな悪質の悪戯をした奴。誰だよ、出て来い。
そんな俺を嘲笑うかの様に照らされた拳銃が黒く、怪しく、光る。
こんなんじゃ本当に頭が可笑しくなる。
——もう本当に如何すればいいんだろうか——