ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— ( No.11 )
日時: 2011/03/05 11:56
名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: WylDIAQ4)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode


…俺は何時の間にか寝ていたらしいな。

ぼう、と寝ぼけた目で真正面にある壁を見つめる。

もうこの際如何でもいいけどな。
絶対、此処から出られないだから。 一生、な。


だから別にどうでもいいんだ。 このまま俺は死んでいくんだから。

俺は足に提げられた漆黒の拳銃を見る。
いっそこの拳銃で自殺でもするか。死ぬのは一緒なんだから。


だが今はそんな事する気さえ起きねぇや。




——俺は、こんな所で、死ぬのか。

たった17年しか生きてないのに、こんな所で。
毎日平凡な日々を送っていたのに。 それがずっと続くと思っていた。

毎日、学校行って時には遅刻して。 友達と遊んだり喧嘩したり。
飯食って風呂入って、徹夜でゲームして寝て。

そんな日常が続くと思ってた——


それが当たり前だと思ってた。 これからも平凡的に生きていくんだろう。



——俺はその『平凡な日常』を止めるつもりは無い。
まだその普通の日々を続けたいんだよ。






——こんな所で死にたくない。



まだ生きたい。

何年も何十年もずっと『生きたい』んだ。


『このまま俺は死んでいく—?』

馬鹿野郎。 何言ってるんだよ。
まだ俺、生きてるんだよ。 まだ、死んでねえんだよ。


何を諦めてるんだよ。本当に馬鹿だな。 まだ可能性はあるんだ。


「は…はは…」


自嘲気味の笑いが漏れる。
本当に俺は気ガ可笑しくなっちゃったかもな。

俺は馬鹿だ。 最ッ低の馬鹿だ。
だから馬鹿は馬鹿なりに頑張らないといけねぇんだよ。


と俺は、足に提げられている『拳銃』を取り出す。
漆黒の拳銃が出番を待っていたと言わんばかりに光る。

この拳銃—どっかで見たことがあると思ったら『DARK.STORY』に出てた
主人公が使っていた— 確か、グロック17。


9mmパラベラム弾を使い、装弾数17発。

俺の記憶ではそうだったような。




俺はゲームで使っていた拳銃を手に取り見よう見まねで安全装置を外す。

引き金に震える指をそっ、と添える。
拳銃をゆっくり上げ壁に向けて銃口を向ける。


やってやる。 馬鹿のやり方らしく、な。