ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— ( No.12 )
- 日時: 2011/03/06 09:07
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: WylDIAQ4)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
ダンッ!!
部屋に響く、耳を劈くような銃声。
俺が握っている拳銃の銃口は休み無く火を噴く。
その足元には黄金に輝く無数の空薬莢が転がっている。
宙にも金に光り煌き空薬莢が舞う。
壁には幾つもの鉛弾が埋まり蓮根状態になっていた。
ガキンッと派手にスライドをオープンさせ弾切れを起こす。
銃口からは濛々と煙が立ちこめ、俺の荒い息だけが部屋に残される。
「はぁ…はぁ…」
肩を上下させゆっくりと拳銃を下ろす。
太股にあるホルスターに仕舞い、壁に背を付けて腰を下ろす。
——やっぱり、無理だ。
俺は拳銃で壁を撃ち、外に出ようとしたのだが壁は以外にも分厚く硬かった。
元々射撃なんて初めてだったから本当に撃ちたいとこに撃てないわズレるわで…
すぐに弾切れを起こしてしまった訳だ。たった十七発しか無いんだから。
だから本当に、これで『終わった』わけだ。
もう出来る事はやった。だけど此処から出れなかった。
頭を必死に使い、慣れない拳銃まで使ったのに。
力も使っちゃったし、何だか疲れたな。
あれ、何だか物凄く眠いな。
もう手足に力が入らない、動かす力さえない。
もしかして、俺このまま死ぬのかな。
——やだ
———死にたくない。
まだ生きたい。 こんな所で人生終りにしたくない。
そんなことを考えながら目を閉じると同時に—
ドカァァァァァァン!!!
「がッ!?」
大きな爆発音、と共に身体に強い衝撃波が襲う。
俺の身体は易々と吹っ飛ばされ、何処かの瓦礫に身体中を打ちつけ、
細かい石が腕や顔にぶつかり擦り傷を作る。
いきなりのことに何も分からずただ色んな所にぶつけるだけだった。
必死に目を瞑り、歯を食いしばって痛みに耐える。
暫くして宙に浮くような感覚が無くなり、衝撃波を収まった。
——一体どうなってんだ…ッ?
瓦礫の上に寝そべるような体勢になっていた俺は、腹に軽く乗っていた
瓦礫を退けながら上半身を起こす。
痛ぇ… 手や顔もそうだが頭を結構打ったっぽいな…
すごくガンガンと頭が早鐘を打つ。
と頭をさすっていると—自分の長く結わえた髪が『風』に揺れる。
今は『密室状態』なのに何故『風』が吹くんだ?
扉も窓も無い部屋なのに…
不審に思い頭痛のする頭を上げると——
「な…ッ」
我が目を疑った。
一面、灰色や黒と言った様な、窓ガラスが壊れていたり塗装が剥げている廃墟の建物ばかり。
怪しい薬品のような紫色の渦巻くような空。
美しく—そして見たものをすべて恐怖の感情で塗り潰すような、紅く染まった月。
この風景、見たことある。
そこはまるで、『DARK.STORY』に出てくる町だったのだ!