ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— ( No.7 )
- 日時: 2011/03/05 11:54
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: WylDIAQ4)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
「ただいまー」
家の中に声を掛けながら靴を脱ぐ。
今日は疲れた。 色々な意味で。
リビングから反応無し。
・・・母さん買い物かな。 まぁまだ二時だしな。
俺は少しだけ軋む階段を上り自分の部屋へ向かう。
階段を上がると廊下があり、母さんの寝室、父さんの寝室が向かい合わせにある。
奥には父さんの仕事場の小部屋があり、更に奥の突き当たりに俺の部屋がある。
色々な部屋を横切りながら自分の部屋に入る。
—俺の部屋は六畳分の部屋で窓の近くにベットがある。
ベットの近くにクローゼットがあり、その近くに本棚、机と並んでいる。
部屋の真ん中には小さいテーブルが置いてあると言うそこまで自慢するほどでもない普通の部屋だ。
俺はバックをベットへ投げつける。
ぼすん、と音を立て一度バウンドしそのまま落ちる。
俺はきつい制服から私服に替える。 いつもの習慣だ。
何となく制服だと学校に居るみたいで落ち着かないしな。
Tシャツと半ズボンに着替え—脱いだ制服はそのまま放置—しながら
バックの中を漁る。 教科書やノート、プリントの山を掻き分け袋を見つける。
それを引き抜きゲームを開ける。
心が「早く早く」と俺にゲームを開けるのを催促してくる。
俺は心に「慌てるな」とストップをかける。
てか心の中で何やってるんだよ。俺。
乱暴に袋から出し紙をビリビリに破く。
この封を開けるドキドキ感堪らないな。 俺、今子供みたいにかなりワクワクしてるぞ。
その紙の束の中から出できたのは——
紫の何処かの薬品みたいな色をした空に鮮血の如く紅い月が浮かんでいる。
そこの中心に主人公と思われる鎧を来た男の子が剣を構えて凛々しい顔立ちで立っていた。
そしてその空には血のような文字で大きく『DARK.STORY』と書かれていた。
おおすげぇ。 テレビで一度見たが実物を見ると気迫が感じられるような気分だぜ。
やっぱ本物は違うな。 これが今世界規模で流行っているゲームか。
さっそくやろうじゃないか。 と思いゲーム片手に立ち上がる。
服脱いだままだけどいいか。 後で片付けるか。
脱ぎ捨てた服達を跨ぎ、部屋を出る。
少し軋む床を降りながらリビングへ向かう。
リビングには大きい(我が家の中で一番)テレビがあるので其処でしようじゃないかーって考えてたり。
ゲーム機をリビングまで運び出し、音量を最大まで上げると煩いので大にする。
今日は家に誰もいないから多少煩くても文句ねぇだろ。
とドキドキしながら電源ボタンを押す。
ゲームが起動始め・・・
『心臓の弱い方、プレイしていて気分が悪くなった方はすぐにゲームを中止してください—』
と言う注意書きが出てきた。
何だ。 ドキドキしていきなりこれか。
と思っていたらすぐにタイトル画面が出てきた。
『DARK.STORY』
→—始めから—
—続きから—
おおっ! すげぇな。 神ゲーって言われる程だからな。
ホント音楽とかもスゴイし、画面もカッコイイ。
超やる気沸いて来た。 明日の朝までやるぞ。
俺は始めからを押しスタートさせる。
読み込み中の画面が出て、数秒待つ。
—すごいドキドキしてきた。 こんなにドキドキしたの何年ぶりだろ。
『2500年—— 時代は進化し、人々は正当防衛として拳銃を持つことが普通となり、国民達は喧嘩が絶えず町は戦場と化してしまうようになった。』
おいおい。 すごい物騒だなその町。 俺は絶対行きたくないね。
ナレーターは続ける。
『その町、「ファバ」に住む15歳の男の子、「ラスナ」はそんな町にウンザリしていた。 ラスナはこの町を前のように平和にしたいと決心する。』
すげぇな。 このガキ。
『人々はそんなラスナの願いには目もくれず、喧嘩を止めなかった。
逆に更に喧嘩が増える一方でした。』
まぁ、普通だろうな。 こんなガキの言うことなんか聞きゃあしねぇだろ。
と俺は隅々にツッコミを入れる。
『ある時、今日も朝から喧嘩や怒声、発砲音が鳴り響くときでした。
他の国から軍が戦争にやって来ました。 この国を制圧しようと言うのです。』
こんな政治も糞もない国なんかすぐに則れるとか思ったんだろ。
『国民達は喧嘩慣れしており死者を出しながらも見事この国を守りました。
その時に人々の間から僅かながらも「友情」や「信頼」という物が生まれたのをラスナは見て考えました。』
死者出したんか。 それはそれでどうなんだ?
『この国を守る喧嘩をやれば人々は信頼が生まれ、他人を信じ、そして助け合いながら、
平和に暮らす事ができるのではと。
その使命に燃えた、少年のお話です——』
—始まったぞ。 何か意外と設定は微妙だったけど。
そのラスナとかいう少年が立ち、その画面の端にライフポイントなどが表記されている。
見た目シンプルだなーとか思いつつメニューを開く。
技、装備、ステータスなど沢山並んでいる。
これは結構やり込みがいが有りそうだ。
と早速ゲームを進めるのであった。