ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: —GAME 鮮血の薔薇と漆黒の銃— ( No.8 )
- 日時: 2011/03/05 11:53
- 名前: 瀬蒼 ◆baXqm01I8Q (ID: WylDIAQ4)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
何時間かプレイして、さすがに目が疲れた俺は少し休憩する事にした。
結構進んだな。 レベルも上がったし。
俺は冷たい飲み物を飲もう、と立ち上がりキッチンへ向かうと、
小さなメモ書きがあった。
『今日は近所のお友達とお食事会に行って来ます。
夜ご飯は適当に食べて置いて下さい 母』
と記されていた。
まじか。 今日ずっと俺一人だ。父さんはいつも仕事で遅いし。
まいいか。 思う存分ゲーム出来るし。
母さんなんてずっとやってると文句言ってくるし。 早く寝ろって。
冷蔵庫から麦茶を取り出しコップへ注ぐ。
こぽこぽこぽ。 コップに溢れる限界まで注ぎ、それを一口飲む。
かなり冷えてて美味い。 一口味わって今度は一気に飲み干す。
冷蔵庫に麦茶を入れ、閉める。
ことん。コップを流しに置き口から垂れた水滴を拭う。
—よっし。 ゲーム再開しますか。 明日にはもうクリア目指すぜ。
ソファに胡坐を書きゲームを再開する。
お、何か強い敵出てきた。
そろそろ空が暗くなり始めたこと。
もうラストダンジョンまで来ていた。
我ながら早いと思う。 寄り道せず、ストーリーばっかり進めて来たからな。
——腹減ってきたな。 集中してやり込んでたし。
時計を見て時間を確認すると—六時十一分。 結構な時間だった。
一応料理も作れるが——面倒だったのでお湯入れて三分待てば一丁上がりッなカップラーメンにした。
今はカップラーメンも進化したし、人気店の味がインスタントで食えるんだからすごいよな。
とお湯を注ぎ休憩も兼ねて三分待っている——つもりがその時間さえ勿体無い様な気がして、ついゲームをやってしまった。
俺、かなり中毒ってるな。 このゲームクリアしたら勉強しねぇと。
とピコピコゲームをやりながらちょっと伸び気味のラーメンを啜るのであった。
もう日は落ち、外は真っ暗で星が見える程度になった所で—
ラスボスを見事撃退した。
よっしゃ。 これでクリアしたぜ。
てか俺やりすぎ。 絶対目悪くなってるって。 俺目だけ良いのに。
まあいいか。 でもさすが神ゲー。 すごくやってる人が引き込まれる感あったぜ。
——ゲームについての描写?
そんなの知るか。 俺は集中してたんだ、とでも言えば収まるかな。
「あー疲れた」
俺はさすがに何時間も同じ姿勢でやっていたので伸びをする。
おーいてて。 ちょっと背中いてぇや。
スタッフロールが流れる中、ソファにねっころがる。
なんか部屋に戻るのも面倒だし、ここで寝ちまうか。
盛大に欠伸をしゲームを消そうとすると——
『 ま だ お わ ら な い よ 』
電源を消そうとした手が止まる。
・・・・・・何だこれは。
紅い血のようなもので書かれた文字は恐ろしく不気味だった。
『 ま だ お わ っ て な い よ 』
何度も繰り返される紅い紅い文字。
『 こ れ か ら が は じ ま り 』
何だこれは。
『 た の し い た の し い 』
何だ。 誰だこんなイタズラをしたのは。
『 げ − む が は じ ま る よ 』
誰だッ!
ブチッ。
気味悪くなった俺は勝手に手が動き、電源を消していた。
テレビの光が消え、部屋が真っ暗になる。
俺は全身汗でびっちょりなのを感じた。
寒気がする。 気持ちが悪い。
手が振るえ、思うままに立てない。
とふと顔を上げると——
『 ね え ま だ け さ な い で よ 』
その言葉に悪寒を感じる。
嫌だ嫌だ嫌だ。
「何だこれはッ! いい加減消えろよ!」
あまりのおぞましさに俺は叫んでいた。
自分でも意味がないと分かりながら。
『 こ れ か ら の き み が 』
『 と て も た の し み だ よ 』
そして俺は意識を暗闇に手放してしまった。