ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

四羽近那のホームパーティ ( No.9 )
日時: 2011/02/06 15:44
名前: siwasugutikakuni (ID: ZsftZnZN)

第二章 「暗黒と白死—前編—」



四羽「さて、確か今日到着の筈ですが。第一のお客様・・・」

コンコン

四羽「おや。暗殺業でバトル希望との事だったので、確実に仕留めてくると思ったのですが…どうぞ」

「お邪魔するわ……」

四羽「パーティとは言いましたがドレスは別に要らないんですよ?戦いにくいですしね」

「別に着飾った訳ではないわ……。貴方が、“白羽の悪魔”さん、ね……?」

四羽「ええ、ええ。そうですとも。お会い出来て光栄です、とでも言っときましょうか。」

「私は雪……あなた、可愛そうな人ね。」

四羽「早めの勝利宣言は死亡フラグだと思いますが。まぁ実際結構可哀そうな生い立ちですよ私は。」

四羽「あと、名乗らずともそちらの情報は一応目を通してますので。銀 雪さん…で間違いないですね」

雪「ないわ……」

四羽「ではこれ以上に御託は要りませんね?迷わず戦わせて頂きます」



※台本形式一時カット



ひゅぅん、と風を切る音が部屋に響く。

銀は、ゆっくりと一歩進む。

するとその背後に四羽が、左手のナイフを振り下し、現れた。

しかし、狙っていたのは一歩後ろ。つまりは避けられたのである。

がきぃんっとナイフが床に叩きつけられ火花を散らす。

「この程度では避けますか。いや…貴女には私の全力でも避けられそうですね」

クスッ、と四羽が小さく笑う。

何時の間に出したのか、二本の大鎌をふるう銀のその速度を見て、四羽は力を込めた。

「やはり私が居た世界とは違う。誰も私の速さに達した者は居なかった。貴女こそ、私の強敵となりえるんでしょうか!」

鎌を構えた銀に向かって、四羽は無防備に走り出す。

「……突進?私の鎌をかわせる自信があるのかしら」

「……大した自身だこと」

四羽はまっすぐ走っていく。そして左手のナイフを大きく振り上げ…

地面に、思い切り叩きつけた。

「攻撃すると思いました?勘違いなさらず。私は貴女を認めたのです銀さん! 本気で殺り合いましょう!」

心底楽しそうに笑う四羽。仮面の下から漏れ出す高らかな笑いは不気味であった。

が、銀もその程度で引く相手ではない。

地面にナイフを刺したままの四羽に大鎌を振り下す。

「せっかちですね!では行きましょうか!」

スパッ

四羽がナイフを引き抜き、振り下ろされた鎌を止める。

そして、何時の間に付け替えたのか。右手のナイフで、止めた鎌をはじく。

銀の攻撃は軽い。とはいえ、片手で軽々防げるものでもないはず。

少し焦りつつも、銀は再び鎌を構える。が、四羽が居ない。

「……どこに」

言う前に気配に気づいた。 それに家に漂う霊達が一点を凝視している。

その顔は恐怖ばかりだ。

先程、ナイフが刺さった足元。

視線を移すと、そこには大きな穴。床が丸ごとぬけ、深い深い穴がある。

その中に、ナイフを壁に突き刺し、ぶら下がった四羽が居た。

「地下へいらっしゃいな。本来階段で降りれるのですが…テンションあがりすぎてつい壊しちゃったんでどうぞこちらへ」

「“高速”ですら越えられない我が友人とは格が違う貴女へ敬意を払って、地下の部屋…思い切り戦える場所をご用意いたします。」

狭い家の中…それも自宅。そこの方が戦いやすい筈だが、敢えて戦いやすい場所へ誘導するのは罠の可能性もある。

銀はすぐに飛びこまず、様子を見る。四羽は既に落ちて行ったのか、居ない。

穴の底はだいぶ深くて見えない。

一体この家はどういう構造になっているのか…。

「……そんなことはともかく、逃がす訳にはいかない」

わざわざバトルを申し込んだのだ。それを相手も受けた。

それでこっちの方が強いと判ったからと言って逃げるのは卑怯だ。

罠があっても避けていけばいいだけ。

「はやくしてくださいよ」

「!?」

背後から声が聞こえたかと思ったら、足を掴まれた。銀はぐいっと引っ張られ、穴へ落ちる。

何時の間にか、四羽がそこに居て、引きずり込んできたのだ。

「せっかちの割にマイペースなんですねぇ。行きますよ!」

そう言うと、四羽は再び穴へと飛び込む。

罠も何も無かったというの?

「罠を心配されているかもしれませんが」

落ちながら。いや、壁を走りながら、四羽が話しかけてくる。

どうも、落ちるより走った方が早いと判断しての行動らしい。

「確かに殺しが趣味と資料に載せましたが、真っ向から殺すのが好きなのです。呼び寄せて実力者を罠にかけて殺す…それで殺した実感が出来ますか?」

フフフ、と四羽は嬉しそうに語る。

「私は人体を裂き、それぞれ臓器をコレクションするのが好きです。お土産として渡す事もありますが…。あと、不必要な物は売る…」

表向きは、ここが精肉業の個人店であった事を銀は思い出す。

「私を倒す人に会ってみたいという気持ちもありますし…また強い人を殺したいとも思う。おや。もう何が何やら支離滅裂ですね」

そう言って四羽はぶんぶんと首を振った。

「もう何でもいいです。貴女を殺してバラバラにさせて頂きましょう」

「……遠慮するわ。それに貴方如きに負ける私じゃない」

「『如き』って言いました?攻撃を避け、小手先の戦いしかしてない私に対して。」

「私の本気は、“避けません”よ。様子見で“避けてみた”だけです」



さすがに、銀にもよく判らなかったらしく、首を傾げる。

それを見て四羽は満足そうに頷いた。

「さて、この家の最深部。地下の闘技場に到着します。着地は華麗に済ませて下さいねヘブシッ」

ストッ、と銀が奇麗に着地したのとは対照的に、四羽は頭から落ちた。

が、別段痛そうにするでもなく、立ち上がる。仮面には少しヒビが入っていた。

「ちょっと失敗しましたが、始めましょう。本当の戦いをね」


おい、台本形式辞めたとたん、無駄になげーぞコラ。

「作者ごねてないで続き書け。」



つづく