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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 白黒人間。 ( No.4 )
- 日時: 2011/02/19 22:18
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: VmnQ.FWP)
「……起きた?」
紫髪の彼女は、田原優の顔の上に自身の顔を近付けて言う。間は、十センチ程。
その顔の近さに驚いたのか、田原優は多少間を空け、呆れ顔で感想を言葉に出す。
「近いよ……」
「いいじゃーん、別に減るもんじゃないし!」
「俺のプライドが減るわ」
好奇心の三文字でしかない彼女が不満そうにそう言うが、呆れ顔の様な無表情の様な顔で田原優は言葉を出す。
「それより、朝ご飯」
不満そうな顔はすぐにいつもの表情へと変わり、言う。田原優の部屋を出る前に、彼女は振り向いて笑う。
「早く来ないと私が食べるからねー」
「お前に乙女心と言う感情の名はないのか」
「何それ」
大食いしようとする彼女をからかうかの様に田原優は笑って言うが、それは彼女に通じなかった。冗談での言葉でなく、本当に知らない言葉。
「……だから、ダイエットしねーのか」
「だから何それ」
田原優は頭を掻き、少し考えてから言い直すも、また通じない。
溜息を吐き飛ばし、簡潔に、単刀直入に言葉にした。
「そんなに食べると豚みたいになるぞ、って事」
「ひっどい! 女の子にこんな事言っていいの!?」
田原優は一回殴られ、頭を擦る。彼女は怒りを露わにしてその部屋から出る。
殴られた本人はと言うと、溜息と共に疲労を吐き出した。
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