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Re: 白黒人間。 ( No.9 )
日時: 2011/02/19 22:21
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: VmnQ.FWP)

 「誰と言うか何と言うか……」
「誰と聞いても梟としか答えられんぞ」
「そんな事訊いてねぇよ」

少し驚きを見せ、梟と自然に会話する田原優。会話は自然でも見た目は全く不自然である。

 「まあ、お喋りはここまでにしよう」
「お前に対しての疑問しかぶつけてないけどな」

真剣に取り仕切る梟。それを簡単に破ろうとする田原優。だが、それはいとも簡単に無視され、梟は話を続けた。

 「——お前は、神だ」

少しの間を空け、空気を吸って梟は言葉を出した。
 その言葉は唐突で彼の頭には吸い込まれなかった。逆に疑問の数々が一気に出てきただけだった。

「変な顔だな。まあ、無理もないが」
「神って、何でそう言う事に」
「神って言うのは巨大すぎたな。創造主?」
「それも十分巨大っつの。てかそんくらい凄いんなら俺、もっとデビューしてたはずだろ?」

田原優の疑問に、少し黙る梟。そして、重そうに口を開いた。

 「封印したんだよ、その力。本当の神様がな」
「はあ。何で封印したかな」

梟が真面目な顔をして言うが、田原優は子供の様に困り顔をして溜息を吐く。

「そういう事じゃない。お前頭悪いだろ」
「梟に言われたかねーよ」

梟は呆れた声を出すが、田原優は怪訝な顔をして言い返す。

「お前、何で今現実離れした場所に居るのか考えてみろ」
「封印した俺の力だろ? そんな事分かってる前提で今までの事言ってたんだよ」
「最初から本題言わないとお前空腹でぶっ倒れるぞ」
「んな訳ねーだろっ……?」

梟の言葉が、本当に変わった。
その場で田原優はバランスを崩し、音を立てて倒れた。