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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔法 4 〜沙耶の過去〜 ( No.14 )
- 日時: 2011/02/07 16:55
- 名前: ゆう (ID: pkkudMAq)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?594830
1話 過去
「サアヤ、ミルクをよこせ。ちゃんと冷ませよ」
あーだこーだ言うミルを見て、サアヤと呼ばれた少女はため息をついた。
「分かっているわよ。それに、こっちでは沙耶と呼びなさい」
「分かっているなら、さっさとミルクをよこせ」
沙耶は、ミルクをあげたら寝室に入った。
「パパ…ママ…待っていて、必ず…生き返らせてあげるから」
沙耶は、両親が移っている写真に向かって呟いた。
沙耶の両親は、沙耶が幼い頃に亡くなった。
沙耶は、ずっと一人で生きてきた。
そう、一人ぼっちで10年間ずっと…。
「写真に喋りかけるだなんて、虚しいだけね」
そう言って、ベッドにもぐりこんだ。
——沙耶は、久しぶりに夢を見た。
両親と一緒に笑いあっている夢だ。
沙耶が、一番望んでいること。
ミルが、寝ているときぐらい幸せに、とかけてくれた魔法。
沙耶は、その夢を見て少し泣いて、笑って、幸せそうに眠っていた。
1話 END
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