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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 妖怪尽くし。 ( No.3 )
- 日時: 2011/02/06 19:46
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
「御託は良い。だが、妖怪にとって人間を殺める事は禁忌。忘れたか?」
わー、もうわけ解んねぇ。妖怪って、じゃあこの犬は妖怪なわけ? 俺、マジで怖いの無理なんスけど……。
「そのような規則もあったな……。ここは引いてやろう」
首筋に当てられた爪はあっさり引き、ぴょんぴょん跳ねて割れた窓から出て行く。
俺は力が抜けて、その場にへなへなと座り込む。情けねえけど、すっげー怖かった。
「迷惑をかけた。申し訳な……ん?」
俺の方を向いて、何かに気付いた様子の來武さん。
「……貴様、佐伯……亮平? か?」
わ、何気にショック。名前覚えてもらってねえじゃん。
「うん。まあ、そんな感じ?」
ショックなのもあってちょっと冷たく当たったかな? 反省。
「どんな感じだ。それより、鬼は?」
鬼? 鬼って、赤鬼とか青鬼とか……。角が生えてるこえーヤツ?
「……外?」
ふくはーうち、おにはーそと。じゃねえよ。いや、解ってんだけどね。でも、ボケないと、認めてしまっているようでヤダ。
「……」
あれ、怒っちゃった系? ってか、よーく見たらキレーな人だなぁ。來武さん。
和風美人ってーの? すっげ綺麗な黒髪で。大和撫子って感じ。
「あのさ、來武聖彩さん、だよね?」
恐る恐る今までの疑問を口にしてみる。
「ああ。人間として活動するときは」
人間として? じゃ、來武さんも妖怪と呼ばれる奴なんスか。俺、妙に勘がいいから、こーゆー時ヤダ。
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