PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦國Love story ( No.3 )
- 日時: 2011/02/08 20:20
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
織田信長編 第壱章「名も無き姫」
私は一応姫の身分で生まれた。だが、名も無き幼き頃に国は攻め滅ぼされ、父母ともに失った。
そこを、かの有名なお方、織田信長様に拾っていただき、私は忍として、信長様に重宝されて生きていけている。
信長様は名無しとかけて、迷夢と名をつけて下さった。一生大事にしなければならない名前。
信長様は何もしなくていいと仰って下さる。けれど、それでは私の気が収まらない。
私の我儘で、信長様から仕事を頂戴している。信長様は皆が言うように恐ろしい人ではない。
「迷夢。長篠へ密偵に行ってくれぬか。地形を調べてもらいたい」
信長様から頂いた大切な命。信長様が有名になるきっかけの、長篠の戦い。
当時最強と言われた武田勝頼の騎馬兵と戦う事になっている。信長様に負けは許されない。
「御意」
ただ短くそう告げて、霧のように姿を消す。長篠へ向かう為の準備なんて必要ない。
忍として特殊な訓練を受けてきた身、走ってでも1日で帰ってこられる。
お役に立てている嬉しさが、私の胸を占める。信長様こそ私の全てなのだと思う。
何故信長様が私なんかを拾って下さったのかは解らない。でも、今はただ信長様のお役に立てればいい。
喩え信長様が魔王と恐れられ、側に誰もいなくなっても、私だけはお側に……。
PR