PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦國Love story ( No.9 )
- 日時: 2011/02/11 08:55
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
何があっても、朝は巡ってくる。嫌味なほどに眩しい晴天の朝。
昨日の事で私が任務を疎かにしてしまっては、軍の統率が乱れてしまう。
普通に、普段通りに振舞えるだろうか。
「お早う御座います」
忍が私情に流されるなど、三流以下だ。自分も女だと言う事が、痛いほどに解った。
「ああ」
信長様もいつも通りの対応。ただ、おかしかったのは信長様の家臣、明智光秀公。
いつもの冷静さはなく、最近はどこか苛立ったような感じが多く、声をかけるのでさえ躊躇われた。
信長様に光秀を監視しろと命じられた私は、夜も眠らず光秀公に付いて回った。
だが、夜中に怪しい行動は見せず、午前0時前後には消灯。睡眠をとっているようだった。
その事を信長様にお伝えすると、不敵に笑った気がする。
「是非に及ばず」
その言葉の意味は理解できなかった。信長様は今日はいつもより早い睡眠をとられた。
私は勿論信長様をお守りするため起きている。いつもと違ったのは、家臣たちがやたら騒いでいる事。
どうせ小さな内輪揉めだろうと思って、その時は気にしなかった。
───気にして様子を見に行っていた方が良かったのかもしれない───。
光秀公が反旗を翻した。そう───本能寺の変。
この時は己の愚かさを心から恨んだ。まさか、こんな事態になろうとは───。
PR