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Re: 戦國Love story ( No.12 )
日時: 2011/02/11 15:30
名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)






「迷夢!!」

聞き分けのない私に怒ったのだろう。頬を打たれた。


「……信長様は、私を妻にと考えて下さったではないですか」

打たれた頬が痛む。でも、そんな事は如何でもいい。
信長様が一瞬驚いた顔を見せた気がした。


「女として、最後の夢です。お慕いしている殿方の妻になれると言う事は……」

信長様を生かしたい嘘ではない。きっと本心。だって、自分でも言うつもりはなかった。
でも、口が勝手に……。本心は理性を裏切るものだと、初めて知った。


「迷夢……」

次の信長様はもっと驚いたような顔をした。私がここまで感情的になる事は初めてだったからか。
          それとも……。私の想いにか。



「……。解った、出よう」

最終的には信長様が折れて下さった。本来折れるべきは私。信長様を恥晒しとして生かすなんて……。

でも、信長様が生きる気力を取り戻して下さって嬉しい。



     「天下が俺の物となれば、お前を正室に迎える」


その言葉に、次は私が驚く番だった。まさか正室なんて……。


「さて、行くぞ」

普段通りの信長様に戻られたと言うか……。何があっても信じられる信長様。


「次の狙いは謀反人、明智光秀だ」


本能寺の殆どを燃えつくした炎を背に、その場を去る。信長様の赤く照らされた顔は、不敵だった。


「さて、どこに行くとするか」

秀吉の所に向かうか。だが、それでは時間がかかる。



  「……明智光秀の件、私にお任せいただけないでしょうか」