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Re: 戦國Love story(コメが死ぬ程欲しいでs←殴 ( No.17 )
日時: 2011/02/12 09:01
名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)

第四章「終焉の夢」



それから勢いに乗った織田軍は、天下平定まで着実に歩んでいた。

そして、本当にあっさりと天下を獲ってしまわれた。実感がないと言えばない。
合戦らしい合戦は全くなく、殆どの軍が降伏。または集団で自刃した。


「何だ、本当に天下を獲った実感がないな」

大きな黄金の椅子に座って、退屈そうに呟く。この時、信長様は27歳。

「そうですね、合戦ほぼ無かったですし」


私達は、祝言を来月に控えている。実は、信長様は一度政略結婚をなさろうとしていたらしい。

美濃の斎藤道三公の娘、帰蝶様と。その頃に私は既に信長様に仕えていた。
   信長様は私が居たから断ったと仰った。

その時から、私を好いていたと仰って下さった。恥ずかしいけど、とても嬉しかった。

自分は年頃の娘のように身を飾った事もない。祝言なんて夢のまた夢だった。
でも、信長様は私を受け入れて下さった。大変感無量だった。


「何か望む事はないか。何でも与えよう」

美しい着物でも、簪でも、白粉でも紅でも。今まで俺に忠誠を誓ってきてくれた礼だ。


「私は何も要りません」

信長様と最後まで添い遂げられるなら、それ以上は何も望まない。それが、私が最も望む物。


「お前ならそう言うと思った」

喉を鳴らしながらそう笑われる。本当に平和だ。物足りないと言えばそうなのかもしれない。

でも、本当はこの平和がずっと続く事を誰だって望んでいた。それは、権力は欲しいかもしれない。


権力欲しさに、信長様を襲撃する人が居るかもしれない。


     その時は、私が守ります。信長様。


 いつものように、今までのように。私は貴方のものです。