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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 戦國Love story(コメが死ぬ程欲しいでs←殴 ( No.18 )
- 日時: 2011/02/12 09:14
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
それから、2年後の事───
「随分と上手くなったな」
信長様は私が作った朝食を召し上がっている。
「練習しましたから……」
忍という立場上、料理とは無縁だった。料理なんてできなかった。
でも侍女に教えてもらって、練習して、やっと信長様に食べさせられる味になった。
静かで、平和で、永遠とも思えるほど幸せな時間。どれだけ老いても、続いてくれるはずの幸福。
「ん、信宗が泣いているのではないか」
隣室から赤子の泣き声がする。迷夢は子を産んでくれた。織田家の長男を。
「本当ですね、行ってきます」
今は第二児を孕んでいる。信長様も私も女がいいと思っている。
「無茶はするな」
いつだって迷夢は無茶をする。辛くても休む事はない。心配をかける妻だと思う。
今だって腹に子がいる状態で朝食を作った。無理して体を動かす事はない。
「はい」
いつもは“御意”だった。でも、今は“はい”と言う。信長様がそれを望んだ。
御意では、いつまでも主従関係があるようでお気に召さなかったらしい。
これから望む事は、腹の子が元気に育ってくれる事。信宗を全うに教育し、信長様の後を継いでくれる事。
それから、この世がいつまでも平和であってくれる事。
最期の時まで、信長様の妻として誉れ高く生きる事。
-完-
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