ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 自爆スイッチ。 ( No.7 )
日時: 2011/02/12 16:34
名前: 朝霞 (ID: MO5pRcbX)

#4

「おい。さっきポケットに入っていた死亡推定時刻は見たのか?」

月詠がめずらしく口を開いた。

「もちろん。そんなもの見てないわよ?だってそんな紙キレ見たって意味無いじゃん。」

私も舐められたもんだわ。と吐き捨てると、
女は迷いだした。

このスイッチを押したらどうなるの?
死ぬかもしれないって言うのに・・・
なんで私が最初なの?
・・・そうだ・・・私が大口叩いたのが悪いのよ・・・
正直に言って順番を変えてもらうか・・・

「・・・」

サラリーマンは迷っている女にこう耳打ちしてきた。

「・・・嫌なら辞めてもいいんですよ?」

「!!何言ってるの?私は怖くないんかない!!」

女はそう決心して、ヒールの音を響かせて、スイッチのある方へゆっくりと歩いて行く。

(あんな奴にあんなこと言われて・・・もう黙ってられない・・・っ)

皆は夢中になってスイッチを見た。


いつ押すのか、

何が起こるのか——————



女は振り返り、ニコッと笑った。

「私はそんな臆病者じゃない。証明してやる。」

そう言うと、足でスイッチを踏んだ————





・ ・ ・ ・ ・




「・・・なにも、起こらなかったな・・・」

月詠は小さく呟いた。


「・・・アハハハハッ!!皆、何その顔!!まさかあいつの言う事信じてた!?ヤッダー。
ホントに死ぬわけないじゃん!!ギャハハ」

女は心底安心した。ため息の代わりに大きく笑った。



≪河内茉莉様。お疲れさまでした。予告通り、11時24分死亡です。≫

「え?」

ガンッッッ!!!!

上から大きい鉄の塊が落ちてきた。

下には隙間もなく、跡形もなくつぶされたようだ。
鉄の周りに血が花弁のように散っている。



会場に叫び声が響いた。

「何コレ・・・ねぇ、ホントに私達、死んじゃうの・・・?」

紅は地面にひざをついて肩は震えている。

≪では皆さん。引き続きゲームを楽しんで下さい。失礼致します。≫




プツンッ・・・