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【序章】




——この学園に集うのは、自分の“才能”に目覚めた能力者のみ。


人は、生まれながらにして己にしか持たない“才能”というものを持っている。
殆どの場合、人はその“才能”が目覚める前に、その存在さえも気付かぬまま亡命してしまう。
だが、それは“才能”が目覚めるキッカケがないだけであり、人は誰しも能力者になる資格を持っている。


＊

この学園は、ある事がキッカケで“才能”に目覚めた能力者が集う場所。
ある者は全てにかかる重力を操り、
ある者は全ての電気を司り、
ある者は人間の身体能力の上をいき、
ある者は全てを見透かし、
ある者は全てを支配する。
ここは、そんな“才能”を監視、管理、調整する為に設けられた。
同時に“異形”として人間から疎外された者を守る場所でもある。


入学したばかりの“才能”の調節が慣れていない者や、“才能”が上手く扱えない者が“Dクラス”
“才能”をある程度理解、調節できるが、まだ調節が完全ではない者は“Cクラス”
標準的に“才能”が扱える者は“Bクラス”
標準かつ己の“才能”を応用できる者は“Aクラス”

そして“才能”を最大限に利用・完全に習得し、
Aクラスの中でも“才能”が高い上位7人が“Sクラス”というクラスに分けられている。

無論、皆Sクラスを目指し日々己の“才能”を鍛えている。
Sクラスの者は誰かにその地位を奪われぬよう一層努力しているのだ。



しかし、“才能”はあるが、全く使いこなせないという意味で、才能がない者が中にはいる。
その者や、能力を乱用する者、使いこなす気がない者、悪用しようとする者が集められる、

“Fクラス”

というのも存在している。
数少ないが、確実に存在しているクラスだ。




さぁ、
そんな学園で、今日も「下剋上」が開始される————————



それは小さな『学園戦争』の始まり。