ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 学園WARS! 参照200突破^^ ( No.43 )
- 日時: 2011/03/29 00:26
- 名前: 葵那 ◆geiwiq3Neg (ID: /B3FYnni)
- 参照: 短くてスイマセン(´・ω・`)
「…なぁなぁ、僕帰ってもええかなぁ」
「何でだよ」
再び南廊下一階廊下。
そこでは5人、忙しなく辺りをキョロキョロ見渡しては溜息をついて…
そんな動作を繰り返しながら、ついに神威は本音を吐き始めた。
「いや、何でって…そりゃそう言いたくもなるわ、この状況」
「まぁいいじゃねぇか、あたし達も手前も暇だろ?」
「元はと言えば木刀を無くすどこかの誰かさんが悪いのよ————ねぇ?倖サン」
そう———彼は倖の無くした木刀を探すのを手伝わされていた。
最初は彼も仕方がない、と探していたのだが…中々見つからない。
神威もその作業がしんどくなってきたのだろう。
「うっさいわね!仕方ないでしょ、アンタ達もその場に居合わせたんだから連帯責任!」
「うわぁ、自己中発言!堪忍してや…」
「木刀あったら、今頃メッタメタにしてる所なのにね」
「そりゃ残念。無くす君が悪いねんけどなぁ」
「同意ですわ」
「倖…悪いがあたしも同意だ」
「裏切り者!?」
倖はキッと後方の三人を睨んだ。
だが三人はその瞬間にそっぽを向いて顔を合わさない。
その息の合いように苛立ちを覚えながらも、三人から顔を逸らし再び木刀を探し始めたのだった。
*
「————へぇ、これが神無月倖の木刀…」
とある校舎の一角で、誰かが歪んだ笑みを浮かべていた。
その者は目の前の者に差し出された物を受け取ると、さらに不気味に笑う。
「さぁーて、黒兎はどう出るかな?神無月はどうなるかな?
学園は今のままの形を残せるのかなぁぁ?ククッ…あはははははは!」
狂気を交えた笑い声を上げ、その人物は叫ぶ。
その狂気を目の当たりにし、木刀を差し出したもう一人は思わず一歩後退して息をのんだ。
だが、高笑いを続けるその人物はギョロッとその人物を見て、怪訝そうに口を開く。
「…何だ、その目は?……何か文句でもあんのか…?
———あぁ!? 」
“ドンッ”———— その人物には、そう聞こえきがした。
そしてそんな音が脳裏をかすめた瞬間、その人物は地面に叩きつけられた。
一瞬だった。その得体の知れない強い力がその人物が起き上がる事を許さない。
平伏す形となったその人物は苦悩に顔を歪め、起き上がろうとするが————
それを目の当たりにした木刀を受け取った人物は、急に目を見開き、声を荒げた。
「逆らうのか?……クソッ…俺を裏切る事だけは——裏切る事は絶対に許さない!」
ドンっ!
再度その音は聞こえたが、それは確かに聞こえた気がした。
「うあぁぁ…っ…ああああああああああ!」
得体の知れない力に押しつぶされそうになったその人物は、ようやくそこで呻き声を上げた。
ミシミシと体中の骨が軋み、今にも折れそうだった。
「—————…っははははははははは!俺に逆らうからだ、裏切れば俺の力で手前を潰してやる!
俺の言いなりにさえなっとけば、痛い目を見ずに済むんだ…ククッ!」
そんな姿を見て、その人物はまた大きく高笑いをした。
「これから学園は変わる…、SだのAだの調子に乗ってる野郎共が、全員地べたを這いつくばる様が見れるぜ?手前もそうされたくなかったら、自分の仕事をこなしていくこったぁ!」
笑いながら、その人物はその場から離れていった。
と、同時に地べたに平伏していた人物にかかっていた得体の知れない力が弱まっていった。
「ゲホゲホッ———————っ、うぅ…」
ようやく起き上がれるようになり、その人物は苦しそうに咳をしながら立ちあがった。
そしてその人物は得体の知れない力に恐怖を覚えつつも、その人物の跡を追った。