ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 機械達ノ笑ウ場所 ( No.4 )
- 日時: 2011/02/12 15:06
- 名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)
プロローグ3 人のために戦う兵器
そして、村についた。
大体の村人は、無傷で座っていた。
家屋もまったく焼けてなかった。
だが、皆、呆けた顔で空を見上げている。
「おい!どうした!?」
近くに居たほかの男性を捕まえて、問い質す。
「あ、ああ…」
その男性によると。
この村に何体もの機械人形が攻めてきた。
当然村人は皆殺し。家屋は全て灰になる。筈だった。
しかし、一人の機械の少女が突然違う行動をし始めたのだという。
「何?どうしたってんだ」
「そ、それがな」
味方のはずの機械兵器を襲い始めたのだという。
まるで、村人を守るかのように。
「まさか…」
「え?お前、知ってるのか?」
「そいつ、髪の長い女の子だったか?」
「ああそうだよ!前髪が長い女の子!」
それは先程の少女だろうか?
男性は考えた。
「それにお前を追って何体か行ったんだが」
「何?」
「その機械人形、怪我人の治療したら追撃するとか言って走って行ったぞ」
「!」
まさか、あの銃撃が止んだのは、あの少女が敵を全て倒したから?
俺を攻撃したのは、彼女じゃない?
「お前あったのか?だったら礼言ったか?お前の家族、身を呈して守ってくれてたんだぞ?」
「あ…」
礼どころか、銃口を向けた。
恩を仇で返していた。
男性は、手にしていた短機関銃を落とした。
「ん?その銃…?」
話し相手の男性はそれを拾い、気付く。
「あの女の子のやつか…?」
「…ああ、それな」
男性は今までの経緯を話した。
「そうか…翡翠っていうのか」
「ああ、本人はそう言っていた」
「お前、やり方最低だぞ」
「うるせえ、俺だって知らなかったんだよ」
「今度顔見せたら、お礼しないとな」
「おいおい、相手は機械人形だぞ?」
相手の男性は、少し考えてから言った。
「あの女の子、人形じゃなくて人間のようだったぞ?」
「…」
確かに言動は機械じゃなく、人間のようだった。
「あいつ…何だったんだ…?」
男性は空を仰いで呟き、それは風に流れ、消えた。